Special Feature
【キーワードで読み解くDXの現在地・リスキリング】ビジネスモデルや意識の改革を推進
2022/11/17 09:00
週刊BCN 2022年11月14日vol.1946掲載
(取材・文/安藤章司)
分室の3割を共創拠点に転換
SCSKが改革に取り組む分室は、顧客企業のシステム開発や運用の現場近くにSCSKの従業員ならびに協力会社が駐在して、開発・運用の支援を行う拠点で、協力会社の従業員を含めて全国に約500カ所、約1万人が勤務する大規模なものだ。分室のリスキリングでは、顧客ビジネスの変革を顧客とともに推進する“共創”に軸足を置く。中期経営計画(2021年3月期~23年3月期)が始まるタイミングから、分室長を対象とする「サービスマネージャー実践ワークショップ」を実施し、顧客との共創とは具体的にどういったものかを学んでもらった。直近までにSIerとの共創に関心が高い顧客を担当する分室を中心に、全体の3割に相当する約150人が実践ワークショップへの参加を済ませた。従来の分室は、「顧客からもらった仕事を実直にこなす」(梅田和敬・SE+センター事業高度化推進部部長)といった、どちらかと言えば作業を請け負う性格が強かったが、共創拠点化に当たっては「顧客の業務改革や次世代システムを顧客とともに創りあげる」(同)取り組みに重点を置く。
実践ワークショップでは、半年にわたって共創と従来のソリューション提案との違いについて理解を深めたほか、実際に顧客担当者にインタビューして共創の足がかりを掴む手法を習得させるなど、オンラインでの座学と実践を織り交ぜたカリキュラムを組んだ。
これまでのSIerのリスキリングは、新しいコンピューター言語の習得など技術寄りの領域が多かったが、SCSKの分室改革では、従来の受託開発や運用を軸とする顧客との関係を見直し、顧客とともに業務改革を行ったり、新しいビジネスを創り出したりするスキルの習得を柱としている点で大きく異なる。「スキルの転換というより、ステージの転換だ」と、堀江旬一・業務役員SE+センター長は捉える。
日々客先に出向く営業担当やSEの役割も重要だが、分室とは担っている分野が異なる。営業・SEは、最新の技術やソリューションを携えて、新規顧客の開拓を含めて幅広い顧客接点を持つのに対し、分室は特定顧客、特定業務を担う「狭く深い顧客接点を持っている」(堀江業務役員)特性がある。この特性を共創に生かすには、顧客から見た分室に対する認識や位置づけを「従来の委託先から共創パートナーへと変えてもらう」(同)ことが欠かせない。
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