Special Feature
【キーワードで読み解くDXの現在地・モダナイズ】リプレースではないDXのためのシステム刷新とは
2022/11/14 09:00
週刊BCN 2022年11月14日vol.1946掲載
(取材・文/日高 彰)
業務アプリの「毎日更新」も実現
DXの推進にあたって、情報システムのモダナイゼーションは避けて通れない課題だとされている。モダナイゼーションは直訳すれば「近代化」であるが、一口に「情報システムをモダナイズする」と言っても、実態としては保守期限の切れたITインフラのリプレースに過ぎないものから、アプリケーションの構成やデータの移行・統合などを含むものまでさまざまである。あらゆるシステムは老朽化する以上、それをモダナイズすること自体は決して新しい需要ではないが、DXの機運の高まりとともにモダナイズというキーワードがとりわけ注目されるようになったのは、レガシーシステムがビジネスのデジタル化の足かせになっているとの認識が広がったからだ。
PwCコンサルティングは、売上高500億円以上の国内企業でITモダナイゼーションに関与する役職者を対象としたアンケート調査を実施している。この中で同社は、「パブリッククラウド」「アジャイル開発方法」「クラウドネイティブ技術」のすべてを全面的に本番環境で採用している企業を「先進」、いずれかを本番活用している企業を「準先進」とカテゴライズしているが、今年の調査では先進企業は全体(有効回答数524)の7%、準先進企業は29%にとどまっている。
モダナイズの必要性が叫ばれる中、中堅以上の規模の企業でもアジャイル開発やクラウドネイティブ技術についてはまだ十分に活用が広がっていない様子がうかがえるが、モダナイズの効果は明らかだ。同じ調査では業務アプリケーションの更新頻度を尋ねているが、モダナイズ先進企業の34%が「毎日」、16%が「随時」、21%が「週に1回程度」更新していると回答しており、合計すると約7割の企業がユーザーの要望を迅速にアプリケーションに反映できていることがわかる。もっとも、これは鶏と卵の関係であり、モダナイズしたからアプリケーションを迅速に更新できたとも、迅速に更新したいからモダナイズを強力に推進したとも読み解くことができるが、いずれにしてもスピード感を持ってデジタル技術を活用するには、システムのモダナイズが必須であることに疑いはない。
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