Special Feature

大手CDNベンダーの事業戦略 エッジ・セキュリティ領域での競争激化

2022/11/10 09:00

週刊BCN 2022年11月07日vol.1945掲載

 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、多くの人の在宅時間が増えたことで、動画配信サービスやEコマースなどWebサービスの利用が大幅に拡大した。ビジネスにおいても、SaaSをはじめとしたクラウドサービスの利用が加速し、インターネット上のトラフィックは急増している。その中で重要性が見直されているのが、コンテンツを高速・低遅延で配信するCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)だ。CDNベンダー各社は、コンテンツの配信に加え、セキュリティやエッジコンピューティングなどの機能の拡充にも注力し、顧客獲得を進めている。
(取材・文/大畑直悠、岩田晃久)
 

コロナ禍で需要が拡大

 CDNは「オリジンサーバー」に格納した元のコンテンツを、地理的に分散させた「キャッシュサーバー」にコピーして一時保存し、エンドユーザーから一番近いキャッシュサーバーから配信することによって、大量のアクセスや大容量の転送が発生してもオリジンサーバーをダウンさせない技術だ。大手CDNベンダーは大規模なネットワークをグローバルに構築しており、エンドユーザーがどこにいても、高速・低遅延でコンテンツを配信できる仕組みを構築している。

 コロナ禍における外出制限などの影響からゲームや動画配信サービス、EコマースといったWebサービスの利用が増えたことで、それらのサービスを提供する企業のビジネスは成長傾向にある。彼らは、競合サービスへの顧客流出を防ぐためにも安定した配信やサイトのレスポンスの高速化を求めており、結果として、CDNの利用も加速しているという。
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  • CDN以外の機能で差別化
  • アカマイ・テクノロジーズ 豊富なセキュリティサービスを展開
  • ファストリー 設定の即時性・柔軟性を訴求
  • クラウドフレア・ジャパン 総合クラウドプロバイダーを目指す

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