Special Feature
紙面で振り返る2022年上期 DXは実践段階もリスクは拡大 IT業界の進むべき道は!?
2022/06/27 09:00
週刊BCN 2022年06月27日vol.1928掲載
新型コロナ禍を契機にデジタルテクノロジーとの向き合い方が大きく変わった現代日本。デジタルトランスフォーメーション(DX)をお題目のように叫ぶフェーズは過ぎ、テクノロジーを着実にビジネス成長につなげる実践的な段階へと移りつつある。民間に遅れながらも、自治体におけるDXの機運も高まっている。
デジタル技術の進展は社会に果実をもたらしつつあるが、セキュリティリスクという危機の萌芽も存在感を増す。2022年上期(1~6月)の本紙紙面を振り返りながら、IT業界の進路を展望する。
(構成/藤岡 堯)
Chapter_1
テクノロジーを企業変革の核に
DXの本質的な意味は既存の作業をただテクノロジーで代替するだけではなく、そこから企業構造を変革し、新たな価値を生み出すことであるだろう。テクノロジーを活用して、ありたい姿へ“変態”していく。それがDXの理想型だ。本紙特集には、その実践例がいくつか登場した。5月16日・1922号の「国内“InsurTech”の旗手になるか 『オールスター』の支援で究極のCXを目指すネット型自動車保険企業」では、イーデザイン損害保険がフルクラウドでシステムを全面刷新し、新たな形の保険商品を生み出すプロジェクトを報じた。
同社は企業としての「ありたい姿」から逆算的にサービスを設計し、その実現に必要な技術を複数導入することで、プロジェクトを具現化させていった。成功の鍵となったのは、地力のある複数のベンダーと、マルチベンダーでワンチームの体制をつくったことだという。
ビジネスモデルだけでなく、人材や組織の変革にテクノロジーを生かす企業も増えている。「従業員スキルを計画的に転換 タレントマネージメントで事業変革を推進へ」(6月6日・1925号)は、Works Human Intelligenceのタレントマネージメントシステムで、人材戦略の転換を図るコニカミノルタジャパンの取り組みに迫った。
コニカミノルタジャパンは複合機の販売を中心としたビジネスから、顧客企業の働き方改革や業務変革を軸としたソリューション・サービス事業へと領域を広げる戦略を進めている。実現には、従業員のスキルを可視化し、適切な人員配置を進めていくことが欠かせない。加えて、従業員一人一人が、目指すべきキャリアを形成しやすい環境を整備できれば、個人の効率的な成長にもつながる。事業だけでなく、組織全体もテクノロジーによって生まれ変われる例となりそうだ。
DXはユーザー企業側の変革への熱意が原動力となるのは間違いないが、ベンダーによる的確なニーズの把握と価値提供がなければ実現は難しい。企業のDXへの意欲が高まる中、ベンダーによる支援のあり方が、より厳しく問われることになるだろう。
- Chapter_2 自治体DX実現へ走り出した政府、ベンダー
- Chapter_3 多様化する攻撃、国内企業の取り組みは鈍く
- Extra 新技術のビジネス実装へ協業広がる
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