新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、2021年に入ったいまも続いている。そんな中でも企業活動は止めることができない。テレワークと最小限の出社で、この難局を乗り切るしかないだろう。ただ、テレワークと出社が混在するハイブリッドワーク環境では、従業員の勤怠管理や健康管理、感染症の陽性者が出たときの対応など、総務や人事といったバックオフィス部門の業務が煩雑になるという問題が明らかになっている。特に従業員規模の大きな企業ほど何らかのシステムが必要となるが、そうしたバックオフィス業務を効率化する新たなソリューションが登場している。
(取材・文/指田昌夫 編集/前田幸慧)
SCSK
ハイブリッドワークの勤怠管理を効率化
コロナによってリモートワークが主体となった業態でも、部署によっては出社して働かなければならないことがある。働く場所が混在していると、勤怠や在席状況の把握が難しい。勤怠管理システムを導入しても、多くの企業では部門ごとのルールとして、都度メールやチャットで連絡をとって出退勤の状況を確認している。マネジャーはその連絡を見て、部員の仕事の開始と終了を確認しているのが実態だ。
「部員の数が10人程度なら、手動での運用でもなんとかなるかもしれない。しかし50人、100人の部署ではマネジャーの負担が途方もないことになる。また、逆に何も連絡がないと、部員の仕事がうまくいっているのか分からない。チャットツールなどを使っても、オフィスにいるときのようにチームワークを効かせて働くのは難しくなる」と、SCSKの五月女雅一・ビジネスソリューション事業部門ProActive事業本部ビジネス推進部部長は指摘する。
同社では従来、場所にとらわれない働き方を推進するシステムの開発を検討しており、2018年に、従業員のコラボレーションをオンラインで管理するツールである「CollaboView(コラボビュー)」の開発に着手。20年1月にはほぼ完成していたのだが、ちょうどコロナの感染拡大が始まったため、いったんリリースを見合わせた。その後、コロナ禍で必要になる機能を追加し、6月に正式リリースしている。
「客観的勤務時間」を自動管理
CollaboViewの代表的な機能はいくつかあるが、まずリアルのオフィスにおける従業員の所在確認が挙げられる。従業員にBLE(Bluetooth Low Energy)で通信するタグを持たせ、オフィスの各所に配置したセンサーで居場所を検知、オフィスの俯瞰図にマッピングする。加えて、「Microsoft 365」との情報連携によって、位置情報と従業員属性の共有を行い、従業員間のコミュニケーションを活性化させる。
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