KCCSで初めての女性営業部員で、初の女性幹部。副事業部長と営業部長を兼務し20人ほどの部下を束ねる。家庭では4歳になる女の子の母親。夫からは「そんなに仕事にのめり込まなくても…」と言われるが、仕事が好きで家庭との両立にいそしむ。
住宅メーカーを経営する社長家の長女として生まれ、「何も不自由せずにすごした」。学生時代に夢中になったものはなかったし将来の夢もなかった。しつけと礼儀に厳しい母親からは、卒業の間際に「このまま社会に出すのは恥ずかしいと、叱られた」とか。
そんな彼女が、山一證券への入社を機に一変する。営業の面白さに触れ、2年足らずでトップクラスの成績をあげる営業担当者に成長。その後、KCCSに転進し着々とポジションを積み上げて現在に至っている。
企業文化の違いや、男性と対等に評価されないことも少なからずあり、入社当時は悩んだことがあった。ストレートにものを言う性格だから、上司との軋轢も一度や二度ではない。それでも「挫折の経験はない。他人から見れば挫折なのに、気づかなかっただけかもしれないけど」と、あっけらかんとしている。
家事のため19時前後に退社するが、携帯電話と自宅のFAXは24時間対応できるようにしている。トラブルが生じた時はいつでも駆けつける態勢で、何度か深夜まで仕事したことがある。
「娘にお母さんのようになりたいと言われたい」。そのためにも仕事で自分を磨くという。
プロフィール
早田 麻子
(はやた あさこ)京都市出身。1994年、同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。同年、山一證券入社。95年、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)に移籍。97年、情報通信営業部東京営業所に赴任。01年、首都圏営業1課責任者。02年、首都圏営業1部副責任者。03年、ネットワークシステム営業部ソリューション営業部副部長に就任。04年、IPサービス事業本部IPイノベーション営業部長。07年4月、IPサービス東日本営業部副事業部長兼東日本ビジネスイノベーション営業部長。1女児の母。