「先鞭をつける」─PCAが創業以来大事にする社風だ。業務ソフトウェアのプラットフォーム変更や国の制度改革などの対応版は、競合他社に先駆けて出す。そんな会社でソフト開発の責任者を担う。「参考にする先行ソフトはないが、プレッシャーだけはある」と苦笑しつつも、「1からソフトを作るのは、自分にとってチャンス」と、志は常に高い。
PCAは1994年に株式を店頭公開した。その翌年「店頭公開第1期生」として入社。“期待の新人”としてシステム開発部に配属された。しかし、数年で、機能の大転換で重責を担うことに──。DOS/Vからウィンドウズに切り替えた「PCA会計EX」の入力系プログラムの責任者に抜擢された。「この経験年数では、普通は担当しない」と社内でいわれていたが、難なくこなしてみせた。
その後も、00年に出した「PCA会計2000」では、データベース回りの設計を担当。このソフトは「オラクルのデータベースを搭載した“幻の製品”だったが、いい経験になった」と述懐する。
いまや、「常に新しいことに挑戦したい」と、すっかり社風に馴染んでいる。02年に発売したPCA初のERP(統合基幹業務システム)「Dream21」でも開発の中心にいた。予定より出荷が遅れたのは「手離れがいい製品にするのに苦労した」から。それだけに、商品名の通り、開発担当者全員の“夢”を乗せている。
週1回は、グラスを傾けダーツを射る。次の「.NETフレームワーク」対応でも、的を射た商品を出してくれそうだ。
プロフィール
齊藤 彰吾
(さいとう しょうご)1972年、東京都北区生まれ、33歳。95年、芝浦工業大学工学部工業経営学科卒業。同年4月、ピー・シー・エー(PCA)に入社し、システム開発部に所属。ソフト開発一筋に歩み、05年4月、同部の課長に昇進した。