大手パソコン専門店として全国各地に店を構え、その名を広めてきた「T・ZONE.」。しかし今では、東京・秋葉原電気街に出店している「T・ZONE. PC DIY SHOP」のみとなってしまった。
運営会社であるT・ZONEストラテジィは、2004年度(05年3月期)の組立パソコン用パーツの売り上げが36億1600万円(前年度比16.3%減)に減少、これにともなって営業利益も1億1600万円(同32.0%減)と減益になってしまった。店長を務める岡本護・取締役事業本部長は、「業績が悪いのは、自分も含めて経営の方法がいけなかった」と反省する。
店内のレイアウトや品揃え、雰囲気などに“完全”という言葉はありえない。家電量販業界の激しい荒波を乗り越えるため、「スタッフに厳しく指導する」こともあるという。自分自身についても、「常に50点以下で評価する」と厳しい。
「組立パソコン用パーツなどハードウェアは価格下落が激しい商材。競合店よりも安く販売することを最大の“売り”にするのは、企業が成長していくうえで最適の方法とはいえない。接客の際にお客さんのニーズを聞くことと、お客さんが買った後のサポートを充実させることで他店との差別化を図る」と、利益アップのためにサービス重視の店舗を目指している。
今年度のパーツ販売は具体的には明らかにしていないものの、売上高で2ケタ成長を見込む。「店全体を鍛えるため、体に筋肉増強用のバネを装着するような経営」を目指す。
プロフィール
岡本 護
(おかもと まもる)1974年9月27日生まれ。98年4月、亜土電子工業(現T・ZONEホールディングス)に入社。パソコンショップ「T・ZONEミナミ」の組立パソコン用パーツコーナーを担当。00年9月、同社を退社。パソコンサプライベンダーやマンション・ビル管理運営会社などを経て、02年11月にT・ZONE(現T・ZONEホールディングス)に復職。03年8月、持ち株会社「T・ZONEホールディングス」への変更にともない、子会社であるパーツ専門店運営のT・ZONE DIY(現T・ZONEストラテジィ)に入社。04年10月にソフト開発のストラテジィとの合併により「T・ZONEストラテジィ」に変更、DIY事業部を担当。05年5月に取締役事業本部長に就任。