「一人でできる仕事ではない。チーム内のおのおのがそれぞれの仕事を全うすることで、迅速で的確な対応ができる」――。まずはこう切り出す。
岡本氏が指揮を執るのは「アンチ・ウイルスセンター」。ウイルス解析・サポートなどを行う「トレンドラボ」内の緊急対策チームである。立場上、「迅速」「的確」は至上命題だ。
「トレンドラボ」はワールドワイドで6拠点あり、約250人のスタッフがここに身を置く。このうち100人以上のスタッフが所属する日本の「トレンドラボ」に対する比重は大きく、この中核的な役割を果たす「アンチ・ウイルスセンター」の役目も当然大きい。
世界中でウイルスが発生した際、日本法人の中で第一報を届けられる相手が、岡本氏。故に各拠点への海外出張も多い。休日中に呼び出されることも度々。携帯電話には昼夜問わず国際電話がかかってくる。しかし、「イメージほどウイルスに縛られている生活をしているわけではないし、辛いとも感じていない」。
現在の部署に配属されてまだ3年目。高い技術力を求めてセキュリティ業界に飛び込んでから、決して長い時間を費やしているわけではない。持ち前のガムシャラさが今の地位まで自分を引き上げた。しかし「まだまだこれから。もっと知識を増やしていかなければならない。ウイルスは進化していくから」と厳しい。 チームで戦う――。そう語るトップだが、自身のレベルアップへの貪欲さは忘れていない。
プロフィール
岡本 勝之
(おかもと かつゆき)1965年、東京都生まれ。89年、國學院大學文学部文学科卒業。96年、SRA入社。96年、ロンローインターナショナルネットワークス(現トレンドマイクロ)入社。99年、「トレンドラボ・ジャパン」でテクニカルサポート業務を経て、ウイルスチーム(現「トレンドラボ・ジャパン アンチ・ウイルスセンター」)へ異動。ウイルス関連サポートからウイルス解析業務までを担当する。