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【新世代の顧客体験・1】デジタル化による購買行動の補助

2022/08/03 10:00

 顧客体験(Customer experience、CX)が注目されて久しい。消費者との接点を持つ小売業や金融業を中心に、EC、アプリ、SNSなどといったタッチポイントの拡充は重要な命題となっている。しかし、消費者は企業の「手段のデジタル化」に対して一定の評価をしつつも「イミ消費」や「コト消費」といった「商品に付随した体験」を高めるための支援にニーズが移りつつあるように伺える。そこで、この連載ではこれまでの顧客体験を振り返りつつ、いまの消費者はどのような顧客体験を求めており、実現に向けてどのような課題やアクションがあるのかについて解説していく。

顧客体験に対する企業の取り組み

 ガートナージャパンによると、2020年の国内企業におけるCXプロジェクトの取り組み状況は「必要だが未検討/進捗が遅い」と回答した割合が2割強、「必要なし」「知らない/分からない」も含めると8割弱である。
 
日本におけるCXプロジェクトの状況(2018年~2020年)
(出典:Gartner)

 これは、CXの必要性は理解しつつも、具体的にどのような取り組みを指すのか、どのような効果を生むのかがイメージしづらいことに加え、「全社的な戦略案件」であるはずのCXプロジェクトが「CRM関連のシステム導入案件」として誤解されたまま投資対効果の試算が行われてしまい、適切な効果を算出できずに社内合意に至れないといったケースも少なくないと推察する。

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