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【デジタル社会の光と影・2】GIGAスクール構想(ネットいじめ編)

2022/07/19 10:00

 文部科学省が2021年10月に発表した調査によると、いじめの認知件数は減少しているものの、「パソコンや携帯電話等で、誹謗・中傷や嫌なことをされる」といったネットいじめの認知件数は右肩上がりで増加しており、20年に1万8870件と過去最高を記録している。GIGAスクール構想によって、小・中学校に1人1台端末が整備され、パソコンなどを利用する児童生徒の分母が増えたことから、ネットいじめは今後さらに増えることが予想される。
 
文部科学省調査「いじめの態様別状況」より、
「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる。」
の認知件数(2021年10月発表)

いじめ発生のきっかけは学校が配布した端末

 GIGA端末などでのいじめによって小学生の自殺につながったという事件は、チャット機能に悪口が書き込まれていたといわれている。もちろん、従来スマホのLINEなどをきっかけとするネットいじめもあったが、今までと異なるのは、GIGAスクール構想の端末は、原則学校が配布・貸与している端末である点だ。学校が配布した端末がきっかけになっていじめが起きているとすれば、学校の責任となってくるため、学校としての対策が必要である。

 文部科学省のいじめ防止対策推進法においても、インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進が明記されている。GIGA端末を利用したネットいじめなどが起きてしまうと、児童生徒の学びを加速するどころか、学びを止めることにもなりかねない。学校の先生がネットいじめの対策についてできることには限界があるため、ネットいじめの対策においても、情報リテラシー教育、情報モラル教育の強化などとともに、機械による制御も重要となる。

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