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【身近に感じて仕事に生かせるデジタル活用術・2】7部門10人のヒアリングによって見えたボトルネックとDX戦略

2022/06/08 10:00

 前回、熊本にオフィスを構える輸送会社のヒサノに対するDX推進に山あり谷ありのエピソードが存在すると述べた。始まりは2020年の春。ちょうど、新型コロナウイルスという脅威が世界中に蔓延し始め、いったいどうなってしまうのか、不安真っただ中の時期でもあった。

 筆者は、社会人になってから進学した大学院を修了したばかり。張り切っていた矢先なのに、訪問支援が全くできない状態となった。八方ふさがりの中で筆者を救ったのは、オンライン会議ツールだ。

 早速、同社の久保誠社長と久保尚子専務に、オンラインで7部門10人へのヒアリングを提案。社長と専務も交えて順番に1人2時間ほどかけてヒアリングして、現場の仕事のフローをつくっていった。最初は接続もおっかなびっくりだったのだが、ツールの共有機能を使えば、双方で確認しながら業務フローが描けることが楽しく、どんどんフローが出来上がった。コロナ禍の緊急事態の影響で、現場も比較的時間がとれたのも幸いした。

 各部門の業務フローを丁寧に可視化していく中で、いくつかの気づきがあった。それは、(1)既存のシステムはあるが一部の機能しか使われていない、(2)過去のミスに起因して二重チェックがたくさんある、(3)受注情報の伝達や記録の方法が各部門によって違う、(4)配車(人と車、ルート決め)のノウハウが属人化している――という点だ。

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