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【介護DXが始まった~最前線と今後の進化~・1】介護業界とIT化の現状

2022/06/03 10:00

 介護は「人手の作業」「労働集約型産業」という印象が強く、DXやITと対極のイメージがある。しかし近年、介護事業者のIT化や介護ロボットの導入が急速に進み、介護のあり方自体を変革する「介護DX」というものが現実となってきた。今後も少子高齢化が進み、介護需要が拡大する中、介護分野はDXの最大のフロンティアともいえる。この連載では、介護DXをテーマに、その最前線と今後の進化を解説する。

 介護業界の特徴は、地域密着型の小規模事業者が多いこと。業界トップのニチイ学館で介護部門の売り上げは1538億円(2019年度)と、同業界全体の1.2%に過ぎない。また、ケアの充実・向上のためには介護職員のスキルや意識の向上が最優先という意識が強く、ITや介護ロボットの導入が相反するものと捉えられることも多かった。こうした事情もあり、介護分野のIT化やテクノロジー導入はあまり進んでこなかった。

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