エンカレッジ・テクノロジの特権ID管理ソフト「ESS AdminONE」の販売が好調に推移している。昨年3月の提供から半年余りで30件のプロジェクトに採用されたほか、11月の最新バージョン「ESS AdminONE V1.1」の売れ行きも順調だ。
日置喜晴 取締役
同社の2022年3月期第3四半期(21年4月~12月)の業績は、売上高が15億700万円(前年同期比15.2%増)、営業利益が前年同期の約3.3倍にあたる2億8100万円。営業面で顧客ターゲット別の営業推進施策としてポストセールスの活動強化に取り組み、「ESS AdminControl」「ESS AdminGate」の既存顧客に対してESS AdminONEへの移行提案を進めたことによって成長につながった。日置喜晴・取締役マーケティング部長は、「ゼロトラストという観点から、今後も展望は明るい」としている。
ESS AdminONE V1.1は、さまざまなシステムにおける特権IDのパスワード変更処理を可能にする汎用パスワード変更インターフェースを新たに実装。インターフェースに合わせた外部プログラムと連携することによって、Windows/Linux Server以外の特権IDについてもパスワード変更処理ができる。
インターフェースの仕様が公開されており、顧客自身で外部プログラムを開発することが可能。ニーズの多いシステムの汎用的な外部プログラムについては同社がパッケージとして提供し、顧客が外部プログラムを開発することなくパスワード変更処理を行うことができる。
主力製品のシステム操作証跡管理ツール「ESS REC」も「前期はライセンス販売が厳しかったが、今期は復調している」という。第3四半期におけるESS RECの販売は2942万3800円(前年同期比66.6%増)。「クラウド利用の増加に伴い、アクセス管理を強化するニーズが高まっている。今後も、販売増が期待できる」と日置取締役は見通す。
プッシュ型の営業に加えて、問い合わせから案件につながるケースも多くなっているという。「前年と比べて問い合わせ件数が1.5~2倍は増えている」とアピールする。
(佐相彰彦)