インターネット電話サービスを手がける三通テレコムサービスのオフィス向けクラウドPBXサービス「クラコールPBX」の利用者数が、年率約10%の勢いで伸びている。クラコールPBXは初期費用なし、1ユーザーあたりの基本料金は月額980円(税別)で、6ユーザーからは基本料金が無料と割安な料金体系が支持された。通話料は使った分だけ支払う従量制。
価格を抑える戦略について、庄逸杰・代表取締役は「ユーザー企業の規模を問わず誰でも簡単にクラウドPBXを導入できるようにするため」と、とりわけIT予算の限られる中小企業での利用のしやすさを重視する。また、コロナ禍のリモートワークを経験し、「場所の制限を受けないインターネット電話の技術を応用したサービスの認知度が高まったのも追い風になった」と、勝俣美咲・法人営業課課長は話す。
右から勝俣美咲課長、庄逸杰代表取締役、吉野盛雄氏
クラコールPBXの納入先をみると、コロナ禍前までは会社の大代表や部門代表の電話にかかってきた電話を手持ちのスマートフォンで受けたいとする営業マンなど外勤者の需要が多かったが、コロナ禍が始まってからは「内勤者のリモートワークで使いたいという要望が増えた」(法人営業課の吉野盛雄氏)と、外勤や内勤を問わず会社全体でクラウドPBXを導入する機運が高まった。
同社では、コンタクトセンター向け「クラコールCTI」、携帯電話向けショートメッセージサービス「クラコールSMS」、インターネットファックスサービス「クラコールFAX」などインターネット電話技術を活用したサービスを多数開発している。
今後はチャットやメール、ビデオなどと融合したユニファイドコミュニケーション(UC)システムの開発を進めるなど一段と商材を拡充していく方針だ。(安藤章司)