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CTC 中小企業向けのゼロトラスト型リモートワークソリューション ブラックベリー製品を活用
2020/11/26 16:00
週刊BCN 2020年11月30日vol.1852掲載
リモートワーク環境の実現では、外部から社内へアクセスできるようVPNを構築する形態が一般的だが、リモートワークが一般化したことでVPNの容量が不足し、多くの従業員が快適に業務を行えるだけの回線や機器を用意できない企業が出てきている。また、リモート端末からの情報漏えいを防ぐため、VDI(仮想デスクトップ基盤)が用いられることもあるが、導入には多額の費用と工期を要する。CTCクラウドサービス営業部の大井康弘・部長代行は「中小企業や地場の企業に向けては、VPNの増設やVDIの構築はコストや時間の面で難しい場合が多い」と説明。従来のソリューションだけでは需要をカバーしきれないため、VPNなしでリモートワークを可能にする仕組みを新たに提供することにした。
今回採用したブラックベリーのDigital Workplaceでは、端末上にデータを残さないセキュアブラウザーの「BlackBerry Access」と、エンドポイントセキュリティソフト「BlackBerry Protect」を、従業員が自宅などで使用するPC(私物可)に導入し、会社側には外部からのアクセスを受け付けるUEMサーバー、社内PCのデスクトップを転送するAwinguサーバーを用意する(図参照)。
従業員はセキュアブラウザーを通じて、許可された業務アプリケーションやファイル、社内の自席のPCにアクセスできるので、場所を選ばずに業務を行える。また、BlackBerry Protectはブラックベリーが買収したサイランス(Cylance)が開発したマルウェア対策ソフトで、機械学習技術を用いて脅威を検出し、端末の安全性を継続的に担保する。一般的なVPNでは端末からのすべての通信が社内ネットワークを経由するのに対し、DigitalWork placeで社内とやりとりされるのはセキュアブラウザー内の軽量な通信のみのため、回線やネットワーク機器の負荷を比較的小さく抑えられるという。
CTCはこれまで大企業を主な顧客層としてきたが、Digital Workplaceを新たに取り扱うことで、中小企業や地方の企業に向けたリモートワークソリューションの販売を増やす。また、大企業の部門や支社向けにも、スピーディーに構築できるリモートワーク環境として提案していく。(日高 彰)
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