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西武ライオンズとシスコシステムズ 球場内外でサイネージを活用した試合演出を試験運用 9月22日~24日の日ハム戦で
2020/10/02 09:00
週刊BCN 2020年09月28日vol.1843掲載
西武ライオンズは2017年12月から、約180億円を投じてメットライフドームの改修工事を進めている。その一環として球場内のネットワークやデジタルインフラの整備を推進。改修工事が完了する21年3月までに、高速通信ネットワークの整備を進めるとともに、合計約290台のデジタルサイネージ「Cisco Vision」を設置することを予定している。これらを活用して新たな価値を提供することで、ファンエンゲージメントの強化を図る。
今回の日ハムとの3連戦では、来シーズンからの本格運用を前に、球場内外各所に配備したサイネージを高速ネットワークでつないで連動させる取り組みの試験運用を実施。選手がホームランやヒットを打った際には、球場内に現在設置している約70台のサイネージや、西武池袋線・池袋駅にある大型サイネージ「池袋駅マルチビジョン」に動画やメッセージを流す演出を試みた。
また、球場内にデジタルホワイトボード「Cisco Webex Board」を設置。ファンがホワイトボードに選手へのメッセージを書くと、選手ロッカー付近に設置されたホワイトボードにリアルタイムでメッセージを届けることができる環境をつくった。さらに、同じホワイトボード上でウェブ会議システム「Webex」を使い、サプライズで登場した選手と実際に会話できる取り組みも、今シーズン初のファン交流イベントとして実施した。
西武ライオンズとシスコシステムズは9月18日、今回の取り組みについての説明会を共同で開催。西武ライオンズの村松宏・営業部部長は、今後約290台のサイネージが配備予定であることを視野に、「例えばサイネージに広告を表示させることによって、おのずと広告価値も高まっていくと期待している」と、サイネージを利用した新たなビジネスモデルの可能性にも言及した。
シスコシステムズの生田大朗・マーケティング本部東京2020オリンピック・パラリンピック部長は、過去に手掛けてきた球場のデジタル化の取り組みの中でも、「これだけ大規模に展開する例は今のところほかにない」と説明。国内でのスタジアムのデジタル化などの取り組みは「まだ始まったばかり。可能性は非常に大きいのではないか」と語った。(前田幸慧)
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