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オプテージとインフィニダット クラウド版ストレージを国内初投入 販売代理店100社獲得、年商100億円を目指す
2020/09/11 09:00
週刊BCN 2020年09月07日vol.1840掲載
米国とイスラエルに本社を置くストレージメーカーのインフィニダットは、これまで国内では客先設置(オンプレミス)型のストレージ製品しか販売してこなかった。今回、データセンター設備を運営するオプテージと組むことで、国内で初めてNeutrix Cloudの販売を始める。オプテージの荒木社長は、「インフィニダットとの協業を通じて社会のIT基盤を担えるサービスに育てる」と、社会インフラを支える関電グループ企業の強みを生かし、大企業から中小企業、自治体などさまざまなユーザー需要に応えていく。
インフィニダットのストレージ製品は高速な読み書きが可能なDRAMやSSDと、低速だが記録容量あたりの単価が安いハードディスクドライブ(HDD)を組み合わせることで、高速かつ容量あたりの単価が安いストレージを開発してきた。DRAMやSSD、HDDの媒体特性を巧みに利用し、最速かつ最も低コストになるようデータを振り分ける機械学習を駆使した独自のアルゴリズムを強みとする。
新会社NCJ社長に就任した田口勉氏は、「一般的なパブリッククラウドのストレージに比べて、3分の1程度の価格に抑えられる」と、インフィニダット製品の特性を生かして価格優位性を打ち出す。インフィニダット日本法人の岡田義一社長は、「アプリケーションソフトを使って計算をする部分はパブリッククラウドなどを使い、増え続けるデータの保存先としてNeutrix Cloudを活用してほしい」と、計算する部分とデータ保存先のサービスを使い分けることでトータルコストが下がると話す。
販売チャネルは、Neutrix Cloudの販売代理店を早いタイミングで100社程度を募る。これとは別にインフィニダットのオンプレミス製品の販売代理店のSCSKや三菱総研DCSなど6社もNeutrix Cloudの販売を手掛ける見込み。
スタートアップ企業や新規でIoT事業を始める事業部門にとって、必要な容量の分だけ利用できるNeutrix Cloudは使い勝手がいい。データが増えてきたらオンプレミス版とクラウド版を併用することも可能。米国での使われ方を見ると、メインのストレージにオンプレミス型を選び、バックアップ先としてNeutrix Cloudを活用するケースも見られるという。NCJでは「向こう10年で年間100億円を売り上げる事業に育てていく」(田口社長)方針。(安藤章司)
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