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英国発の組み立て型教育PCが 日本上陸 GIGAスクール構想に照準
2020/08/28 09:00
週刊BCN 2020年08月24日vol.1838掲載
カノーは2013年設立の教育市場向けPCメーカー。これまでシングルボードコンピューター「Raspberry Pi」を採用した自作PCキット「Kano Computer Kit」などを発表しており、プログラミング教育やSTEM教育を支援する製品を開発してきた。今年、OEMパートナーとしてマイクロソフトと提携し、Windows 10を搭載したKano PCをグローバルに展開している。
今回、リンクスインターナショナルが取り扱う製品はKano PCの第2世代モデル。カノーは7月に海外で提供を開始しており、英・米各市場において既に数百万台の販売実績があるという。
同製品は、パッケージを開封した段階では基板やバッテリ、スピーカーなどの部品が分かれている。ユーザーは同封されているガイドを基にそれぞれのパーツを組み立て、実体験を通してPCの構造を理解できる。また、カノーが自社で開発した学習用アプリケーションが標準で搭載されている。具体的には、コンピューターの仕組みを学ぶ「How Computers Work」、ビジュアル言語でプログラミングの基礎を学ぶ「Kano Code」、テキストプログラミングによってイラストやゲームを作る「Make Art」の3種類で、それぞれのアプリケーションを活用することで、学習を効率的に進められる。
OSにWindows 10 Pro、プロセッサーにインテルのCeleron N4000 Dual Coreを搭載しており、メモリは4GB、ストレージは64GB。子どもが利用することを考慮し、1メートルの落下テストをクリアしている。これらの内容は、文部科学省がGIGAスクール構想で提示している学習者用端末の標準仕様にも合致する。なお、付属のキーボードやアプリケーションはリンクスインターナショナルによって日本語化済み。そのほか、オンライン授業などを見据え、ヘッドセットやwebカメラなどのアクセサリを用意する予定だという。
リンクスインターナショナルでは、同製品をまず家電量販店やECサイトを通じて一般消費者向けに販売していき、将来的には学校法人へ拡販していく考え。既に販売パートナー契約を進めており、文教市場に強みを持つSIerやディストリビューターと協力して販売網を構築していく方針だ。(銭 君毅)
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