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Asana Japan 社員の実務と企業の目標を新機能でつなぐ コロナ禍で揺らぐ社内の意思伝達を支援
2020/08/07 09:00
週刊BCN 2020年08月03日vol.1836掲載
米AsanaはFacebookのCTOだったダスティン・モコビッツCEOが2008年に設立し、19年に日本法人を立ち上げた。彼らが提供するAsanaはFacebookで活用されていたタスク管理ツールを製品化したもので、さまざまな業務をプロジェクトやタスク単位で登録し、リスト、カンバン、ガントチャートといった形式で可視化することで業務の進捗を整理できる。TrelloやWrikeといったプロジェクト管理ツールが競合となるが、Asanaはプロジェクト形態ほど大規模ではないものの日々行わなくてはいけない細かい業務の管理にも適しているという。田村代表取締役は「プロジェクトではなく仕事全体を管理できるワークマネジメントツール。プロジェクト開発だけでなく人事などでも活用されていて、全社導入しているユーザーも多い」と強調する。
新機能のゴールでは、企業のミッションに基づいた長期的な目標である「会社の目標」と、「チームの目標」という二種類の目標を設定できる。それぞれの目標はプロジェクトやタスクと紐づけることが可能で、各項目の進捗が目標の達成率に反映される。組織の役員はミッションの達成状況を俯瞰的に確認できるほか、実務を担う従業員は自らのタスクが組織のミッションにおいてどのような役割を持つのかを正確に把握できるという。
直近のコロナ禍において、多くの企業が方針の転換や戦略の見直しを迫られているが、そういった全社的な目標の変化が必ずしも従業員に正しく伝達されているとは限らない。同社が行ったグローバル6000人を対象にした調査では、「自社で目標の設定・伝達が効果的に行われている」と回答したのは16%だった。また、「自分の仕事と自社の目標の繋がりをよく理解している」と回答したのは26%にとどまる。田村代表取締役は「目標がきちんと管理され、うまく事業と結びついていないと、社員によって優先順位が変わってしまう。組織に亀裂が入ったり、社員のモチベーション低下を招く原因となる」と指摘。「『ゴール』はこの状況にマッチしている」と強調した。
また、同社には製品の導入や外部サービスとの連携を支援するパートナーが存在するが、今回の機能追加によりパートナーエコシステムを拡大させる方針だ。田村代表取締役は「個人のパフォーマンスと会社の目標を連動させていくためには人事評価といった部分の刷新も必要になる。HRなどのノウハウを持つパートナーと協力することで支援していきたい」と語った。(銭 君毅)
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