その他
トレンドマイクロ 企業のクラウド活用支援や製品間連携を加速 2020年の事業方針を説明
2020/06/12 09:00
週刊BCN 2020年06月08日vol.1828掲載
一つめが、「DXを推進するクラウドセキュリティの拡張」。大三川副社長は「DX成功のカギはクラウド活用による効率化と迅速性」にあり、「セキュリティが担保されればDXは加速する」と説明する。そこで、多様化するクラウド環境を保護する六つのソリューション群「Trend Micro Cloud One」を6月1日から順次提供する。仮想マシン、ネットワーク、コンテナ、クラウドストレージ、サーバーレス向けのセキュリティに加え、クラウド環境の設定不備を検知し、PCI DSSやGDPR、NISTなど主要な業界のセキュリティ基準への対応を支援するサービスを提供する。
二つめが、「SaaSモデルへの移行加速とクロスレイヤーで脅威を検知し対処するTrend Micro XDRの提供」。同社では、エンドポイントセキュリティの「Trend Micro Apex One SaaS」をはじめ、サーバー、メールなどのセキュリティをSaaSで提供し、製品間の連携も可能にしている。大三川副社長は、SaaSには運用の自動化による作業負荷の軽減や、クラウドでの一元管理ができるなどのメリットがあると話し、「今後もSaaSラインアップの拡充とさまざまな製品連携を充実させていく」としている。
さらに「従来エンドポイントで提供してきたサイバー攻撃の事前予防(EPP)と事後対処(EDR)をメール、サーバー、クラウド、ネットワークに拡張し、Trend Micro XDRを提供する」と説明。各SaaS製品のログをクラウド上に集約し、脅威インテリジェンス「Trend Micro Smart Protection Network」を活用して相関的に分析する。攻撃の全体像や対処が必要な対象を管理コンソール上で可視化し、迅速なインシデント対応を支援する。顧客企業が利用するSIEMやSOARとのAPI連携も可能だという。
三つめの重点分野が、「IoT関連ビジネスの推進強化」だ。家庭向けの「コネクテッドコンシューマ」と、「コネクティッドカー」「スマートファクトリー」の3領域に引き続きフォーカスする。コネクテッドコンシューマでは、通信事業者が家庭での安全なインターネット利用を実現するためのSaaSプラットフォーム「Trend Micro Consumer Connect」の提供に力を入れる。コネクティッドカーでは、車両、ネットワーク、バックエンドをカバーする製品群や車両向けセキュリティオペレーションセンター(VSOC)向けソリューションを自社の脅威インテリジェンスと連携させて展開する。スマートファクトリーでは、トレンドマイクロとMoxaの合弁会社であるTXOne Networks製品の出荷を1月に開始した。また、パートナーとの連携によるIoT向けマネージドサービスや、5G向けソリューションの提供を推進するとしている。(前田幸慧)
- 1
関連記事
TEDがトレンドマイクロと代理店契約、産業制御向けセキュリティ製品の受注を開始