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米ZVC 新機能開発を凍結し セキュリティ向上に全力 ユーザー急増で課題が浮き彫りに
2020/04/24 09:00
週刊BCN 2020年04月20日vol.1822掲載
ユアンCEOによれば、2019年12月末時点ではZoom上の会議への1日あたりの参加者は1000万人程度だったのが、今年3月には2億人にまで膨れ上がったという。
そうした中で、招待されていないユーザーが会議に入り込んで妨害する「Zoombombing」や、「Facebookでログイン」機能を実装するために同社が利用していた「Facebook SDK for iOS」がユーザーのデバイス情報を無断で収集していた問題などが顕在化。情報処理推進機構(IPA)も、ZoomのWindowsアプリについて「UNCパスの処理に関する脆弱性が確認されている。悪意のあるユーザーの用意したハイパーリンクをクリックすることで、認証情報を窃盗されたり任意の実行可能ファイルを起動されたりする可能性がある」と注意喚起している。
ユアンCEOはこうした状況を招いた要因について、「当社のプラットフォームは、完全なITサポートを受けている大規模な機関、企業を主な対象として構築されたが、数週間のうちに世界中の人が突然、自宅から仕事をしたり、勉強したり、私的に交流したりするのに利用するだろうという予測の下には製品を設計しなかった」と説明。新型コロナウイルス問題によりテレワークが一気に広がり、Zoomの需要も爆発的に拡大したことで、“野良IT”的な利用も急増したことが想定外の課題を引き起こしたことを示唆した。一方で、今回浮上したプライバシー保護やセキュリティに関する課題を解決することで、Zoomの対象ユーザーや市場における支持を拡大するためのチャンスにもなり得るとの見方を示した。
ZVCは3月末から製品のアップデートを重ねるとともに、プライバシーポリシーの変更や各課題への対処方法に関するユーザーへの情報共有、トレーニング、サポートなどのメニューやコンテンツ拡充を進めてきた。また、ユアンCEO自らが毎週ウェビナー形式で同社のセキュリティ対策の最新情報を説明するとともに、参加者の質問にも直接答えるという試みを始めている。
日本法人であるZVC Japanも「安全性に関するご懸念やご指摘について真摯に捉え、総力を挙げて改善する」としている。(本多和幸)
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