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ヴイエムウェア Kubernetesを統合した vSphere新製品を発売 管理者と開発者の両方にメリットを訴求
2020/03/27 09:00
週刊BCN 2020年03月23日vol.1818掲載
主力の仮想化基盤ソフトウェアの新製品「vSphere 7」では、従来型の仮想マシン(VM)とコンテナ型アプリケーションの両方を直接実行可能となった。ハイパーバイザーである「ESXi」内部に、Kubernetesへの最適化を施したコンテナ実行環境が実装されており、「ベアメタルの実行環境に比べても高速」(高橋洋介チーフストラテジスト)にコンテナを動作可能という。さらに、KubernetesのAPIを通じて、ストレージやネットワークを含むITリソースの払い出しが可能となったため、アプリケーション開発者は新しいサービスの開発や公開に必要なインフラを、インフラ管理者の手を煩わすことなく素早く手に入れることができる。また、開発者が行ったリソース要求や変更といった操作は従来の管理ツール「vCenter」を通じて通知されるので、Kubernetesの知識がないインフラ管理者でも、コンテナ環境で何が起きているかを継続的に監視できる。なお、Kubernetes対応版のvSphereは当面、プライベートクラウド基盤製品「Cloud Foundation 4」でのみ利用可能とされており、5月1日までに提供される予定。
Kubernetes環境は、AWSのElastic Kubernetes Service(EKS)やグーグル・クラウドのGoogle Kubernetes Engine(GKE)のように、大手パブリッククラウドからマネージドサービスとして提供されるものがあるほか、企業がプライベートな環境を構築するための製品としてはレッドハットのOpenShiftなどがある。今回ヴイエムウェアは、これら複数の基盤に分散したKubernetesクラスターを統合管理するためのツール「Tanzu Mission Control」を発表し、単一のコンソールを通じたモニタリングや、アクセス権やデータ保護といったポリシーの統一を可能にする。
また、オープンソースのKubernetesをベースとして開発され、ヴイエムウェア自身がサポートを提供するKubernetesディストリビューション「Tanzu Kubernetes Grid」も発表された。
今回の製品群は、昨年8月にアナウンスされていた、クラウドネイティブなアプリケーション開発・実行・運用を支援する製品ポートフォリオ「Tanzu」を正式に商品化したもの。各製品がもつ機能は公開済みのロードマップに沿うものだが、今回の発表では、Kubernetesやアプリケーション開発の高速化をさらに強いメッセージとして訴えている。ITインフラベンダー各社がハイブリッド/マルチクラウドの領域で激しい競争を繰り広げる中、ヴイエムウェアはインフラ管理者のみならず、アプリケーション開発者にも支持される基盤への進化を急ごうとしている。(日高 彰)
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