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セゾン情報システムズ 会計業務を3割削減へ BlackLineと連携、4月から外販開始

2020/03/06 09:00

週刊BCN 2020年03月02日vol.1815掲載

 セゾン情報システムズ(内田和弘社長)は、財務会計の効率化支援の分野で「BlackLine」を活用する。同製品は、販売管理や給与計算、経費精算といった各システムと、会計システムに計上された金額が一致しているかどうかの照らし合わせを自動的に行ったり、入金の消し込み、会計処理に関する情報共有を支援。セゾン情報システムズの業務アプリケーション連携ツール「DataSpider」シリーズと組み合わせた提案を今年4月から始める。内田社長は「向こう3年間で50社への納入を目指す」とした。

セゾン情報システムズの内田和弘社長(右)と
ブラックラインの古濱淑子社長

 「BlackLine」活用ビジネスのスタートに先だって、昨年9月にセゾン情報システムズ自身が自社の会計業務の効率化、自動化を目的に採用している。販売や購買、給与といった業務システムから会計システムに上がってきた数字が、各業務システムで管理されている生データと合っているかどうかの照合作業を、これまでは人手に依存する部分が多かった。この部分にBlackLineを応用することで、「照合の効率化、自動化が可能になった」(鷲尾武・財務経理室室長)と話す。

 また、どのような経緯で会計処理がなされたのか、「関係者間での情報共有、履歴を残せる機能もBlackLineの特徴の一つ」(ブラックライン日本法人の古濱淑子社長)。とりわけ上場企業では外部の監査法人からの監査が入るため、監査法人から指摘があった場合、誰がどのような経緯で会計処理を行ったのかを即座に示せるようになったことで、監査業務の円滑化にも役立つ。これまでは「メールによる関係者間のやりとりやを遡ったりと、会計処理の経緯を辿るだけで一仕事だったのが、BlackLine上のやりとりだけで過去履歴の参照が可能になる」(鷲尾室長)という。こうした効果によって年間で3割ほどの業務削減効果が見込めると推計している。

 セゾン情報システムズでは、外部の優れたツールやサービスと既存システムを連携させることで、業務の効率化や自動化、経営の可視化などを実現する「リンケージサービス」を推進している。会計分野では、ほかにも経費精算の「Concur」と早い段階から連携しており、直近4年間で累計73社に納入。経営分析ツールの「Tableau」との連携も行っている

 リンケージサービス関連ビジネスでは2019年4月~12月の9カ月の売り上げが前年同期比75%増と急成長しており、「すでに昨年の年間売り上げを追い抜いている」(花香勝・流通ITサービス事業部事業部長リンケージサービス部部長)。ファイルやデータ、アプリケーション同士を連携させるセゾン情報システムズの「DataSpider」や「HULFT(ハルフト)」の強みを生かすことでリンケージサービスの一段の拡大に取り組む。(安藤章司)
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外部リンク

セゾン情報システムズ=https://home.saison.co.jp/