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トランスコスモス 「DECサービス」成長軌道に DXで発生する関連業務を丸ごと請け負う
2020/02/20 09:00
週刊BCN 2020年02月17日vol.1813掲載
ユーザー企業がDX推進を行うに当たって大きな課題となるのは、「データ分析や活用に長けたデジタル分野に詳しい人材をどう集めるのか」という点。ビジネス戦略の中核部分はユーザー企業自身に考えてもらうとしても、それを支えるデジタルマーケティングやコンタクトセンター業務まで担う人材を自前で確保するのは容易ではない。また、足元の既存ビジネスが好調であればあるほど、まとまった売り上げがすぐには見込みにくい新規ビジネスの立ち上げは、「傍流」「亜流感」が少なからず出てしまう問題もある。
そこで、ユーザー企業が少数の精鋭人材だけであっても、まとまった規模感でDX推進を行えるよう、関連する業務を丸ごと請け負うのが「DECサービス」のコンセプトだ。DX支援のツールとして営業支援の「Salesforce」や、CX(顧客体験)強化の「KARTE(カルテ)」、データ分析の「DataRobot(データロボット)」「Tableau(タブロー)」などを活用しつつ、同時にこれらツールにデータを入力したり、分析したりする人的リソースを提供する。
DX推進プロジェクトの中核メンバーの一つとして、トランスコスモスから「プロデューサー」役を客先に常駐させるなど深くコミットしている案件は、直近3年間の累計ですでに20件ほどに増えた。「ユーザー企業はビジネス戦略に集中してもらい、人的リソースが必要となる関連業務を丸ごと請け負う」(稲積専務)スタイルだ。一方で、例えば「LINEを使った営業支援」といった部分的な支援だけであれば、すでに累計100件余りに達している。直近では、三井住友銀行の顧客向けサイトやスマートフォンアプリに「KARTE」を納入し、デジタル戦略や運用の支援を行っている。
ユーザー企業を俯瞰してみると、金融や消費財の割と大規模な業種ユーザーが「DECサービス」を利用するケースが多いという。トランスコスモスでは、データ分析や活用に長けたデジタル人材を育成するだけでなく、業種ごとの市場動向の知見を持ったハイブリッド人材を重視。こうした業種ごとの即戦力を複数のユーザー企業でシェアするアウトソーシングビジネスの強みを生かし、DECサービス事業の成長を一段と加速させる。(安藤章司)
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