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New Relic、「可観測性プラットフォーム」に新機能、製造、金融、ITをターゲットに
2019/10/25 08:00
週刊BCN 2019年10月21日vol.1797掲載
New Relic Oneは、メトリクス、イベント、ログなどシステムのパフォーマンスに関する情報を観測できるサービスで、「可観測性プラットフォーム」と位置付ける。新機能は、「OPEN」「CONNECTED」「PROGRAMMABLE」の三つをキーワードとして、多様なデータの収集、理解、可視化を支援する。
OPENでは、「New Relic Metrics」「New Relic Traces」「New Relic Logs」の三つのサービスを提供。従来、エージェント経由でしか取得できなかったメトリクスやトレース、ログのデータを業界標準のOSSから入手し、プラットフォームに取り込むことができるようになる。松本大樹・CTO/技術統括執行役員によると、これまでエージェントを持たないサービスのデータに関しては「別で管理する必要があった」といい、新機能によって「New Relicの分析・可視化・観測ツールを使えるとともに、エージェント経由で取ってきたデータと関連させて分析できるようになった」と説明する。
CONNECTEDでは、「New Relic Serverless」「Logs in Context」「New Relic AI」などを提供。New Relic Serverlessでは、「AWS Lambda」をAPI経由だけでなく、スループットやエラーレートなどより深い部分まで詳細に確認できるようになる。Logs in Contextは、問題の発生箇所からログをさかのぼって検索を可能にする。New Relic AIは、膨大なログの中から不要なものを排除し、問題解決に必要なログを抽出することで平均復旧時間を短縮することができる。
PROGRAMMABLEでは、New Relic One上で新しいダッシュボードを簡単に開発できる機能を提供する。
New Relicは2008年に米国で創業。これまでに世界で1万7000社への導入実績があるという。日本法人は18年8月に設立。10月に現社長の小西氏が着任し、活動準備期間を経て今年3月に本格的に事業展開を開始した。すでに数百社の顧客がおり、「日本法人設立前はChatwork(チャットワーク)やドワンゴ、Sansanなど“イノベーター”の採用が中心だったが、現在はエンタープライズ企業での採用が加速している」(小西社長)といい、新たな導入事例としてパイオニアを紹介。同社が推進するクラウド型運行管理サービス「ビークルアシスト」のモニタリングに活用され、障害対応工数を50%削減したという。
New Relicは今後、製造、金融、IT企業を重点ターゲットにビジネスを展開。主に直接販売でサービスを提供していく方針だ。(前田幸慧)
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