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米オラクル、「データファースト」で差別化を図る、Oracle CX Cloudを強化

2019/10/05 09:00

週刊BCN 2019年09月30日vol.1794掲載

【サンフランシスコ発】米オラクルは9月16日から19日までの4日間米サンフランシスコで開催した年次イベント「Oracle OpenWorld(OOW) 2019」で、主力事業の一つであるビジネスアプリケーションに関する新たな戦略も発表。多種多様なデータをAIを活用して分析し、ユーザーのビジネスを成長させるためのインサイト(洞察)を導く「データファースト」のアプローチにより、競合との差別化を図る方針であることを強調した。

ラリー・エリソン会長

 創業者のラリー・エリソン会長兼CTOは、SAPやセールスフォース・ドットコム、ワークデイなどをビジネスアプリケーション市場のライバルとして挙げながら、「クラウドのインフラビジネス(IaaS)を手掛けているのはオラクルだけであり、だからこそインフラの進化を即座にSaaSにも反映でき、ミッションクリティカルな領域までを含むエンタープライズITの要請に応えられるクラウドアプリケーションを提供できている」として、同社のビジネスアプリケーションが特にSaaS市場で順調に成長していることをアピールした。

 新製品・新機能の発表では、同社のSaaSに蓄積されたデータはもちろんのこと、収集・利用可能な外部データを組み合わせて、各業務部門のユーザーや意思決定者ごとにパーソナライズされたアナリティクス機能を提供する「Oracle Analytics for Applications」をリリースすることを明らかにした。まずは、クラウドERP「Oracle Fusion ERP」向けに、事前定義済みのデータを集める仕組みやデータモデル、ベストプラクティスのKPIをパッケージ化して提供するという。ERP以外のビジネスアプリケーション向けにも順次同様の機能を提供していく予定だ。
 
スティーブ・ミランダ・エグゼクティブ・バイスプレジデント

 また、マーケティング、セールス、サービス、コマース向けのアプリケーションスイートである「Oracle CX Cloud」も大幅にアップデートした。CX Cloudにラインアップされているカスタマーデータ・マネジメント・プラットフォーム(CDP)製品の「Oracle CX Unity」は、ウェブサイト訪問やオンライン広告のクリック履歴、カスタマーサービスの電話対応、店頭での取引など、異なるマーケティングシステムと広告システムのデータをリアルタイムに収集・統合し、機械学習を活用して分析できるようになったという。これにより、「顧客ごとのニーズに合わせた顧客体験(CX)を随時最適化できる」(スティーブ・ミランダ アプリケーション開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント)としている。(本多和幸)
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日本オラクル=https://www.oracle.com/jp/