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Twilioの日本法人が設立、パートナーやユーザー獲得に本腰

2019/09/13 08:00

週刊BCN 2019年09月09日vol.1791掲載

 クラウドコミュニケーションプラットフォームを提供するTwilio(ジェフ・ローソンCEO)は、8月30日に日本法人を設立し国内市場での活動を開始した。日本法人の社長には、アマゾン ウェブ サービス ジャパンなどでパートナービジネスを中心に担当してきた今野芳弘氏を迎え、直販とパートナーセールスの両面からユーザーを拡大させていく考えだ。

Twilio Japanの今野芳弘社長

 同社のプラットフォームでは電話だけでなく、SMSやチャット、ビデオ通話などの各種コミュニケーションチャネルのAPIを用意しており、それらを中心としてコンタクトセンターソリューションや二要素認証機能、インフラサービスなどをカバーする。

 多岐にわたる機能ラインアップの中で、同社ではコンタクトセンターソリューションの「Twilio Flex」、電話APIの「Programmable VOICE」、二要素認証・SMS機能の「Authy」、E-mailマーケティングプラットフォームの「SendGrid」の四つを日本市場における主力プロダクトとして前面に押し出す。
Twilioのアンジー・ベル・Regional VP & Head of APAC & Japan

 アンジー・ベルRegional VP & Head of APAC & Japanは「働き方改革の流れは大きな追い風になる。われわれのプラットフォームは企業が革新を遂げるためのプロセスで必要になるものをそろえており、ハイタッチによるアプローチでグローバル視点の支援ができるようになった」と語る。

 同社はグローバルで5番目の拠点として日本に進出したが、サービス自体はKDDIウェブコミュニケーションズ(山崎雅人社長、KWC)がリセラーとして2013年から提供していた。今回の拠点開設でグローバル市場と同様にハイタッチで顧客にアプローチするとともに、SIパートナーとしてNTTコムやテラスカイなど計七社を認定しユーザーへのインテグレーションを支援する。また、日本人チームによるサポートを可能にするため、人員や設備を拡充し、開発者コミュニティの活性化にも取り組んでいく方針だ。

 今野社長は「SIパートナーや開発者コミュニティへの強力な支援などはわれわれの大きな使命だと認識している。認知度の課題を克服するためにもブランディングに力を入れていく」と意気込む。

 日本市場でのニーズについてKWCの山崎社長は「Twilioの事業を始めた当時はまだクラウドAPIという考え方が浸透しておらず、一部のスタートアップなどで活用されることが多かった。最近ではエンタープライズ層でも検討している企業が増えている」と指摘する。「中小企業が得意領域の当社としても、この状況に対して1社だけでは対応できなくなってきていた。プレーヤーが増えることで、認知度も拡大するのではないか」と案件増に期待を寄せる。TwilioはSIパートナーを募集していくものの、KWCには引き続き唯一のリセラーパートナーとして活動してもらう予定。既存顧客への対応を含め、今後も有力な販売ルートになるとみられる。(銭 君毅)
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