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経理業務自動化で日本市場進出 SAPジャパンをリセラーに大企業攻略――ブラックライン

2019/07/29 08:00

週刊BCN 2019年07月22日vol.1785掲載

 経理財務業務の自動化ソリューションをクラウドサービスとして提供するブラックライン(古濱淑子社長)が日本市場でのビジネスを本格化させる。SAPジャパンやグローバルコンサルティングファーム各社などと協業し、紙や手作業によるアナログな業務が残っている経理部門の働き方改革に貢献したいという。7月17日には、メルカリが同社製品を採用したことも明らかにした。まずは年商750億円以上の中堅上位から大規模企業をメインターゲットとして国内での顧客基盤開拓に挑む。

 同社は米ブラックラインの日本法人で、設立は2018年10月。SAPで20年以上ERPを中心にバックオフィス向けの業務アプリケーションビジネスに携わってきた古濱社長が今年1月に社長に就任し、実質的にはそのタイミングで本格的に営業を開始した。
 
古濱淑子
社長

 ブラックラインの製品は決算業務で経理部門が行う勘定照合、仕訳入力の管理、会社間取引の管理といったプロセスを一体的にカバーし、自動化、効率化を進める。これらの業務は従来、各拠点のERPや会計システムからExcelにデータを吐き出して集約し、それを基に経理部門が手作業で行うことが多かったという。古濱社長は「ブラックラインの導入で決算時期の経理部門の業務負荷を大幅に軽減できる。これまでERPやCRMでちょうどカバーできていなかった領域であり、特に日本企業では脱アナログ化による変革の余地が大きい」と強調する。

 米ブラックラインは01年の創業。市場環境がようやく整ったと見て日本進出を決断した。「日本市場でも基幹システムのクラウド化の流れが進み、会計のデータを連携させやすい環境が整ってきた。また、グローバル市場での競争力を強化するためにホワイトカラーの生産性向上を真剣に考えなければならないという気運がようやく高まってきたことで、米国本社経営陣も日本に投資しようという判断に傾いた」(古濱社長)。

 ERPとは相互に補完的な関係にあるとして、ブラックラインは18年、SAPとグローバルで包括的なパートナーシップを結び協業を深めている。日本市場でも、SAPジャパンが唯一のリセラーパートナーとしてSAP製ERPなどと組み合わせた提案を顧客に行っており、アーンスト・アンド・ヤング、KPMG、アビームコンサルティングなどが導入支援を手掛けている。

 国内SIerなどからもブラックラインを扱いたいという問い合わせは多いという。近い将来、中堅中小企業にも顧客基盤を拡大していく計画で、その過程でパートナーエコシステムの幅も広げていく方針だ。(本多和幸)
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