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原・新体制が本格始動「人材」「地方」「グローバル」を重視――情報サービス産業協会
2019/07/04 08:00
週刊BCN 2019年07月01日vol.1782掲載
福永副会長は、昨年度までJISAの働き方改革委員会委員長として、優秀な「人材」が情報サービス業界で存分に活躍できる環境整備に努めてきた実績がある。高度IT人材は、業種・業態を問わず奪い合いの状態で、流動性も高まっており、SIerが人材を確保し、育てていくことは大きな経営課題。JISAの今年3月時点の雇用判断DI値調査では、従業員の不足感は5四半期連続で過去最高を更新するなど、人材の枯渇感は強まっている。そうした中にあって、極めて高度な技術やノウハウを身につけ、情報サービス業界を牽引する“トップガン人材”を育成するには、「エンジニアの心の中に秘めていた薪に火をつけるようなワクワクする職場をつくっていく必要がある」(福永副会長)として、SIer経営者が取り組むべき方向性を示していく。
長坂副会長は、「企画連携委員会」の担当として、地方SIerとのビジネス連携や、地方創生の役立つ企画づくりを担う。所属会社のワイ・シー・シーの本社は山梨県甲府市にあり、かねて「JISAは地方との連携が弱い」と感じていたという。今回、原会長から「地方会員との連携を推進してくれるキーマンになってほしい」と直談判され、快諾した。
「グローバル」では、海外ビジネスに精通している岩本敏男氏に白羽の矢が立った。JISAは、「ASOCIO(アジア・オセアニア・コンピューティング産業機構)」や「日中情報サービス産業懇談会」を通じて、主にアジア太平洋地域の情報サービス業界団体と太いパイプを持つ。海外から見たとき、JISAが依然として“日本の情報サービス業界の代表”であり続けるためにも、海外団体との交流は重要な活動となる。
岩本副会長は、「北米や欧州の一部では、大手ITベンダーの力の方が強く、交流すべき団体が存在しないケースがある。JISAとしてどう関係を構築していくかの課題にも取り組んでいく」と抱負を話す。
原会長は、「人材」「地方」「グローバル」の各分野を担ってほしいと直接本人に伝え、副会長に就いてもらった。経営革新委員会を担当する安永登副会長(情報技術開発会長)も、変革プロジェクト・ユニット担当の島田俊夫副会長(CAC Holdings特別顧問)も同様だ。原会長の出身会社のリンクレアは中堅SIerだが、副会長には原会長が取り組みたいテーマに対し、熱意を持って向かい合ってくれる実力者で脇を固めた。こうした布陣によって新体制下の政策を強力に推進していく。(安藤章司)
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