その他
5億人が親しんだツールを1万社のパートナーが売る 新パートナープログラムで法人向けに攻勢――Dropbox
2019/06/16 11:30
週刊BCN 2019年06月10日vol.1779掲載
現在、Dropboxが抱えるパートナー数は、グローバルで1万社を超える。マーカス・ロウHead of Asia Pacific&Japan-SMB and Channelsが「我々にとっても新たなチャレンジだった」と位置付ける同社のチャネルビジネスは、「16年にパートナープログラムを刷新して以来大幅に伸長した」という。高い投資利益率が期待できる市場を選択し、集中して投資していく戦略が功を奏した形で、特に日本市場では18年の昨年対比の成長率がグローバルの2倍に達している。それだけに同社にとって日本市場に対する期待は高く、夏にリリースを予定している国内データホスティングサービスもその表れだと言える。
日本市場でも「選択と集中」戦略は反映されており、建設、メディア、教育分野に注力することでユーザー数を伸ばしている。今後もこれらの領域に積極的に働きかけていく計画で、「エンタープライズからSMBまでさまざまな規模で成長の機会がある」とロウ氏は自信を見せる。特にITに慣れていない人が多いSMBでは「5億人のユーザーに親しまれたツールとしての使いやすさが生きてくる上、大塚商会やSCSKをはじめとするパートナーと協力し、導入支援から導入後のサポートまでをカバーしていることで、使い続けてもらいやすいサービスになっている」という。
コンシューマー向けの使いやすさを前面に押し出すことでビジネスユーザーに受け入れられてきたが、コンシューマー向け製品だけに警戒心を抱くビジネスユーザーもいる。Dropboxのメリットをユーザーに正確に伝えるには、販売パートナーの果たす役割が大きい。今回のイベントでは、新たなトレーニングとパートナー向けポータルサイトを開設したと発表。パートナーに対して、より深い製品知識を提供する仕組みを構築している。
今後は、ポータルや各種イベントを通じてパートナーからフィードバックを得ていき、随時プログラムへと反映させていく。これまで1年半周期だったパートナープログラムのアップデートの頻度を1年周期に狭めて投資を拡大させる方針で、米Dropboxのクリス・シュナイダーPartner Program,Channel Marketingは「今こそ、われわれとパートナーになるベストなタイミングだ」と強調し、参加者にアピールした。(銭 君毅)
- 1
関連記事
競争が激化するオンラインストレージ 両社が事業方針と新サービスを発表――Box JapanとDropbox Japan