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自社ブランドとして展開しやすい API完全対応のワークフロー基盤――エイトレッド
2019/04/12 07:30
週刊BCN 2019年04月08日vol.1771掲載
既存システムとの連携機能をセミナーでアピール
パートナー企業は自社ブランドとして展開
ワークフローシステムで2500社を超える導入実績を持つエイトレッド。ユーザーニーズの変化について同社は、ワークフローシステム単体ではなく、他システムとの連携という複合的な提案が必要になったと感じているという。
営業本部ソリューションセールスグループの鬼頭英二郎課長は、「営業担当者の多くは、ワークフロー単体の提案をしていない。グループウェアやERPなどとともに提案している」と語る。ここで必要とされるのは、多様なシステム連携だが、個別の開発ではコストと時間を要してしまう。
そこで同社は、ワークフローエンジンやSDK、REST APIなどを提供するクラウドベースのアプリケーションプラットフォーム「ATLED Work Platform(AWP)」を開発。全ての機能をAPI化し、グループウェアをはじめ、会計ソフトやERP、CRMなどの他システムと柔軟に連携できるようにした。
エイトレッドは、さまざまなシステムとの複合的な提案を考慮し、同社のパートナー企業に向けてAWPのOEM提供にも対応している。パートナー企業は、自社の独自サービスを組み合わせ、自社ブランドとして提供できるというわけだ。また、自社サービスのオプションや企業間取引のプラットフォームとして活用されることも多いという。
同社は今後、AWPを中心としたパートナー企業によるエコシステムの構築に注力していく。鬼頭課長は「ぜひ皆さまの業務業種ノウハウを生かし、AWPでビジネスを拡大していってほしい」と語った。
見積もりから承認まで
ワークフローで営業支援
セミナーでは、AWPを用いてサービスを展開するエイトレッドのパートナーも登壇。まず、「『eセールスマネージャー』がユーザー満足度No.1に選ばれた理由とは? CRM/SFAの効果を最大化し、成果を上げるポイント」と題し、ソフトブレーンの営業1部管掌兼営業企画・支援部部長の柿崎太郎執行役員が、AWPの活用法を紹介した。同社は、自社で開発した営業支援システム「eセールスマネージャー」のオプション機能として、AWPのワークフローシステムを提供している。
人口減少によって働き手が少なくなっている今、1チーム当たりの売り上げ効率をいかに上げるかが重要になる。そのため、柿崎執行役員は「営業にとっての働き方改革とは生産性の向上である」と語る。しかし、多くの企業では社内のシステムが分断され、情報が散在しているため、営業が活動するための判断材料が集まりにくい状況にある。
eセールスマネージャーは、スマートフォンやPCに限らず、活動報告を入力すると情報がスケジュールや商談リスト、顧客・人脈情報などの各種機能にリアルタイムに反映される。このシングルインプット・マルチアウトプットにより、余計な作業の削減を実現す。AWPとの連携開始は19年1月。eセールスマネージャーから、ワンタッチで見積もりの作成、申請、承認フローへのアクセスが可能になった。柿崎執行役員は「稟議回りの要望は以前から数多くいただいている。AWPによって、eセールスマネージャーはより使いやすくなった」と評価する。
同社は5000社以上の導入実績を持ち、顧客からのフィードバックでは高い満足度を得られているという。AWPの採用によって、顧客満足度のさらなる向上が期待されている。
ワークフローでRPAを管理し
野良ロボットを駆逐せよ
次に「ロボット作成の承認プロセス管理・モニタリング・プロセス可視化を実現するRPA管理サービスのご紹介」と題し、NDIソリューションズのサービス事業本部第2開発部第3開発室の柴田康史氏が登壇。3月から提供しているAWPのワークフロー機能を組み込んだRPA管理システムを紹介した。
RPAの提供や運用、保守事業を展開している同社は、自社の業務効率化にも取り組んでいる。その経験から「RPAの課題が浮き彫りになってきた」と柴田氏は語る。
RPAは、人間が担ってきた作業の代替を目的に導入されるソフトウェアロボットである。作業の省力化に貢献するものの、これまでの業務内容がブラックボックス化してしまう可能性がある。また、ソフトウェアロボットの設計や作成、メンテナンスを一人の担当者でできるため、管理が属人化しやすいのも課題の一つだ。柴田氏は、「満足に効率化ができない“野良ロボット”が生まれる要因になる」と警告する。社内の運用管理がまとまっていなければ、野良ロボットはますます増殖してしまう。
そこでNDIソリューションズは、野良ロボットの撲滅を目指し、RPAを安価に管理できるRPA管理システムを開発した。同システムの機能は大きく三つ。まず、モデリングツールを用いて導入前の業務フローを可視化し、導入効果を最大化する機能。次に、RPA稼働管理アプリによって、作業状況や実行履歴の確認を可能にする機能。そして、AWPの承認フローにより、ロボットの作成・変更の証跡を残す機能。これらにより、野良ロボットを発生させず、増殖させない環境をつくることができる。
今後の展望について柴田氏は、「AWPは他システムと容易に連携できる。当社が持つAIやIoTのシステムと連携し、単なるRPA管理システムから業務効率化支援システムへと進化させたい」と語った。
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