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世界10カ所で検証ラボを開設 協賛ベンダー20社余りから最新技術を募る――NTTコミュニケーションズ
2019/03/25 07:30
週刊BCN 2019年03月18日vol.1768掲載
国内で協賛を決めているベンダーは日本ヒューレット・パッカード(HPE)やDell EMC、レッドハットなど20社余り。HPEの五十嵐毅・執行役員ハイブリッドIT事業統括は「最新アーキテクチャーのメモリー主導型コンピューティング(MDC)の実用化に向けた取り組みを加速させる」として、ネクスセンターラボでのユーザー企業の実証実験に意欲を示す。MDCの欧州での医療分野の科学技術計算への応用では、従来比6割の電力削減と約100倍の分析速度の向上を成し遂げている。
Dell EMCは、水冷式のGPUサーバーをネクスセンターラボに持ち寄ることを検討している。GPUは近年ニーズが高まっているAI(人工知能)演算で高い処理能力を発揮するが、一方で発熱が課題になっている。
EMCジャパンの日下幸徳・上席執行役員NTT営業統括本部長は、「発熱が大きいためラックに数台しかGPUサーバーを設置できない例もある」と話す。熱対策としてDell EMCでは水冷式のGPUサーバーを開発しているが、水冷設備のあるDCは限られているのが現状だ。ネクスセンターラボでは水冷設備を備えていることから、「水冷式GPUサーバーの動作検証も検討項目の一つ」(NTTコムの飯田健一郎・クラウドサービス部長)としている。
レッドハットの岡下浩明・製品統括・事業戦略担当本部長は「GPUに最適化されたOpenShiftコンテナプラットフォームによってAIの効果的な利用を促進していく」考えを示した。
開設済みのネクスセンターラボは、東京、独ベルリンとフランクフルト、オーストリア・ウィーン、マレーシア・サイバージャヤで、現在開設準備中のタイ・バンコク、英ロンドン、オランダ・アムステルダム、スイス・チューリッヒ、スペイン・マドリードを含めれば計10カ所となる。今後、米州でも同ラボ開設を検討する。
ネクスセンターラボでは、ユーザー企業向けの新技術や新サービスの実証実験だけでなく、ベンダー間の相互接続性の検証、さらには世界20余りの国や地域にDCを展開しているNTTコム自身の技術開発にも生かしていくことで、DCサービスの競争力を高めていく。(安藤章司)
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