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購買情報もCRMで一元管理 B2B向けEコマース支援機能を追加――セールスフォース・ドットコム
2019/02/23 12:00
週刊BCN 2019年02月18日vol.1764掲載
同社はEコマースソリューションを提供する企業買収を活発化させている。2016年7月にデマンドウェアを傘下に収め、B2C向けにコマースプラットフォームの構築を支援する「Commerce Cloud」を提供。また、18年3月にはB2B向けコマースプラットフォームを提供するクラウドクレイズを買収している。今回のB2B Commerceは、クラウドクレイズ製品をベースにCommerce Cloudをビジネス向けに拡張したものだ。
B2B Commerceは、Eコマースサイトをビジネス向けに構築するサービスで、ビジネスにおける購買において快適な顧客体験をもたらす。B2B特有の大量注文機能や、注文履歴による再注文機能などを搭載しており、ビジネス特有のニーズに応える。またB2B Commerceで蓄積された購買情報と同社が提供するCRMの顧客情報を一元管理でき、データ活用による効果的な営業活動を実現する。
竹内賢佑執行役員は、B2Bでの購買体験について「購入するだけでなく、アカウントを作ったり、ヘルプデスクに連絡したり、ポータルやマイページで購買履歴を見たり、スマホアプリで情報を追跡したり、といった機能はB2Cのフィールドでは昔から存在してきた。テクノロジーはあるのにビジネス向けでは昔ながらの方法をとることが多かった」と語る。その上で「購入者が購買したときに生まれた接点を、点で対応するのではなく、それらをつないでサポートする。これにより、B2B Commerceユーザーは競合優位性を得られるようになる」と強調する。同社は今回の機能拡張により、製造業などのメーカーのユーザー層を厚くしたい考えだ。
もともと同社のCRMプラットフォームは、ユーザー企業とその顧客の接点を包括的にカバーすることで、顧客ごとの最適なサポートを可能にしてきた。今回のB2B Commerceにより、その範囲を購買や受発注にまで広げたこととなる。竹内執行役員は「これまで、購買や在庫管理といったシステムはバックオフィスのレガシーシステムに構築されていることが多かった」と指摘。続けて「購買などに関わるシステムをCRM上に作ることで、社内業務を中心としたEコマースから顧客を中心としたEコマースへと転換できる。B2B Commerceのユーザーはデータ活用で苦労をせずに顧客のニーズを満たせるようになる」と語った。B2B向けEコマースという接点を獲得したことで、同社のCRMプラットフォームは新たなステップを迎えたと言えそうだ。(銭 君毅)
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