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今後の製品戦略を説明 鈴木社長「データカンパニーへと舵」 19年にはデータセンター向け製品を投入――インテル
2018/12/28 08:00
週刊BCN 2018年12月24日vol.1757掲載
1968年7月18日に創業した米インテルは、今年、創業50周年を迎えた。次の50年に向けた指針として、技術革命の継続、5Gや自動運転車、AIなどのデータ中心の世界構築の前進、Industrie 4.0やSociety 5.0の実現を掲げる。
11月に就任した鈴木社長は「インテルのハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、コンピューティングのワークロードを高速化する。そのためにインテルはデータカンパニーになる」と説明。5GやAIといった新しい分野に対応するため、データの移動と保存、処理のソリューションを提供していくという。
こうした方向性のもと、18年は、データセンター向けのプロセッサー製品として「Xeon Scalable Processor」や同製品にFPGA(field-programmable gate array)を統合した「Xeon Scalable Processor with integrated FPGA」ファミリーを発売した。
AI用途ではエンドポイントからエッジ、クラウドまでをカバーする製品群を構築。組み込み向けの「Atom」から、PCやワークステーションに対応する「Core i」、サーバー向けの「Xeon」などのCPUのほか、FPGAに加えてマシンラーニングに特化したプラットフォーム「Movidius」や「Nervana」など、多彩なソリューションを用意した。
19年の製品戦略について、土岐英秋・技術本部本部長は、データの移動、保存、処理のソリューションとして、ネットワーク、ストレージ、プロセッサーの新製品をリリースすると話した。
ネットワーク製品では、次世代の高速イーサネットインターフェースに対応したネットワークカードの「Cascade Glacier」をリリースする予定で、市場の拡大が見込まれる「ネットワーク製品のポートフォリオを強化する」と土岐本部長は説明した。
ストレージ製品では、DRAMを頂点としてHDDを土台とした、メモリー・ストレージ階層の速度差と容量差を埋める製品を用意。特に3D XPoint技術を用いた「Optane DC SSD」や「Optane DC Persistent Memory」は、高速なストレージとして活用できると説明した。
プロセッサー製品では、次世代Xeonの「Cascade Lake」(開発コードネーム)を19年前半に投入する予定だ。最大48基のCPUコアを搭載し、新たに深層学習向け機能「Intel Deep Learning Boost」を採用して深層学習の処理能力を大幅に強化。ディープラーニング推論性能は、従来製品の「Xeon Platinum Prosessor」と比べて最大17倍向上するとした。(山下彰子)
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