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CRMを起点に基幹データの統合を図る 日本における「Customer 360」の必要性を強調――セールスフォース・ドットコム
2018/12/14 07:00
週刊BCN 2018年12月10日vol.1755掲載
同社ではCRM/営業支援サービスの「Sales Cloud」を始め、顧客サービス管理、マーケティング、Eコマースなど、顧客と企業の接点となるさまざまなアプリケーションをクラウドサービスとして提供している。近年はそれらを連携させることで、企業は顧客一人ひとりをより深く理解し、パーソナライズされた最適な体験を提供できるようになるという主張を強めている。
しかし、この日ハリスCTOは「それぞれのクラウドサービスは重要だが、他のシステムも使わないと業務ができない」と述べ、実際には同社の製品だけで業務が完結することはないことを認めた。顧客へのサービス提供にあたっては、ERPとの連携や、大企業では現在も使われているメインフレーム内のデータを活用することが求められるため、他のシステムにある顧客情報をどのようにセールスフォースのソリューションに取り込んでいくかが課題だったと説明した。
そこで同社では今年、データ統合基盤を提供する米MuleSoftを約65億ドル(約6800億円)で買収。MuleSoftの技術を活用すると、既存システムのデータにAPI経由でアクセス可能となる。セールスフォースでは現在、複数のシステムに分散した顧客情報を統合できる新製品「Customer 360」の準備を進めているが、その中でMuleSoftの技術が重要な役割を果たしているという。特に日本では企業がそれぞれ異なる基幹業務システムを導入する傾向にあるため、Customer 360によるデータ統合が重要になると指摘した。
また、日本法人の小出社長は、日本市場での新たな取り組みとして、国内のスタートアップ企業を対象とする1億ドル規模のファンドを開設したことを発表した。同社自身がベンチャーキャピタルとなってスタートアップへの投資を行うことで、同社の製品と連携できる新たな機能の開発を加速するとともに、「日本発」の優れた技術をセールスフォースのユーザーに提供していくとした。(日高 彰)
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