その他
12カ月の無償トライアルを開始 「Kofax RPA」の機能追加をアピール――米コファックス
2018/12/02 12:00
週刊BCN 2018年11月26日vol.1753掲載
今回新たに追加する機能は「コグニティブ・ドキュメント・オートメーション(CDA)」「プロセス・ディスカバリー」「ライフサイクル・マネジメント」の三つ。
まず、CDAは、非構造化文書や非構造化データを、OCR(光学文字認識)技術やAIなどを用いて構造化する機能。この機能により、非構造化データということで諦めていたRPAによる自動化の処理が、実現できるようになる。
二つめのプロセス・ディスカバリーは、人とアプリケーション間のやり取りを追跡する機能。人による作業フローを可視化し、RPAによる自動化を適切な順序で行うことに活用する。
三つめのライフサイクル・マネジメントは、RPAで作成したロボットの管理機能で、大量のロボットを導入している場合に威力を発揮する。例えば、ウェブページやソフトウェアを更新すると、ロボットの自動化プロセスで対応できず、エラーとなってしまうケースがある。ロボットが少なければ簡単だが、大量だと対応に多くの時間がかかってしまう。管理機能により、こうした問題を解消するのがライフサイクル・マネジメントである。
今回の機能追加と同時に米コファックスは、無償トライアルを開始する。このトライアルでは、Kofax RPAの完全版を12カ月間無償で検証できる。コファックスジャパンの河上勝セールスディレクターは「これまではRPAに対する過大な期待が先行していたように思う。そして、現在は失望感が漂い始めている」と分析する。無償トライアルで実際に活用してもらうことによって、RPAに対するネガティブなイメージを払拭するとともに、他社製品との差を明確し、ユーザーの獲得につなげていく考えだ。
今後の取り組みとしては、2018年第4四半期までに「Kofax IAクライアント&パートナーコンソーシアム」を設置する。既存ユーザーだけでなく、導入を考えているユーザーも対象としている。既存ユーザーの導入状況などを共有することにより、潜在的なユーザーの意思決定をサポートする。また、19年第2四半期には、データ分析や非構造化データ取り込みといった六つの機能を一つのプラットフォームとして統合し、「Kofax インテリジェントオートメーション」としてリリースする。
米コファックスのクリス・ハフCSOは、「われわれはソリューションで、RPAの課題を解消するほか、RPAによって新たな機会を創出し、人々を支えていく」と意気込みを語った。また、河上氏は「RPAを導入している企業は機能ごとに個別のソリューションを導入していることがある。機能を統合することで管理・運用にかかるコストが減り、より使いやすくなる」とメリットを強調した。(銭君毅)
- 1