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「AWS上で動くVMware」国内市場でも提供を開始 オンプレミスのIT基盤をAWSへ拡張可能――ヴイエムウェア
2018/11/23 09:00
週刊BCN 2018年11月19日vol.1752掲載
VMware Cloud on AWSは、サーバー仮想化技術「vSphere」、ソフトウェア定義型ストレージ「vSAN」、ネットワーク仮想化技術「NSX」などをベアメタルのAWS上で提供するサービス。オンプレミスでVMwareを利用している企業は、同じ基盤技術を利用してAWS上にITインフラを拡張し、同一の管理画面を通じて運用が行える。昨年北米からサービスを開始していたが、AWS東京リージョンでの提供準備が完了したため、国内の顧客に向けて正式に案内を開始した。来年上半期中にAWS大阪リージョンでも提供する予定。
主な用途としては、ディザスタリカバリーや一時的な負荷増大への対応などが挙げられる。ユーザー企業の自社データセンターで障害が発生した際、AWSをインフラとして業務アプリケーションやサービスの運用継続が可能となるほか、オンプレミスでCPUやストレージのリソースが不足した場合、足りない分を自動的にAWS側でまかなうことができる。ヴイエムウェアによれば、海外ではオンプレミスからAWSへの数千台規模のサーバー移行でVMware Cloud on AWSが利用された例があるほか、日本市場ではVDI(仮想デスクトップ基盤)構築にもこのサービスが活用されると見込んでおり、同社のVDI管理ソリューション「Horizon」との連携もセールスポイントになるとしている。
国内で提供を始める時点で、20社以上のVMwareパートナーがVMware Cloud on AWSを販売し、このうち伊藤忠テクノソリューションズとNECの2社は、マネージドサービスプロバイダーとして、運用も含めた形態でのサービス提供も行う。2社とも自社のIaaSを活用したマネージドサービスをすでに提供しているが、インフラとしてAWSを選択したいと希望する顧客の声に対応する。
VMwareをベースとしたITインフラを拡張するのであれば、他のパブリッククラウドサービスも選択肢になり得るが、拡張先としてAWSが望まれる背景には、企業におけるデジタルトランスフォーメーションの機運の高まりがある。AWSには高度なIT活用のためのさまざまな機能が用意されているほか、国内外の先進的なサービス開発者の多くが、AWSを基盤としてサービスを提供している。企業がVMware Cloud on AWSを利用して、自社のデータセンターをAWS上に拡張しておけば、AWS上で提供される、それらの高度な機能やサービスと、既存の基幹業務システムとの連携がしやすくなる。
米国本社から来日したパット・ゲルシンガーCEOは、「日本の顧客は保守的なところがあるが、クラウドの俊敏性をぜひ活用していただきたい。VMware Cloud on AWSは、高い品質とセキュリティーを提供し、かつ迅速に立ち上げることができる」と述べ、信頼性とクラウドのメリットを同時に享受できる、日本市場に適したサービスであることを強調した。(日高 彰)
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