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日本法人の新社長がようやく決定 元ソニーVAIO担当の鈴木氏就任へ toBからtoCまで、多面的な経営手腕を発揮できるか――インテル
2018/11/02 08:00
週刊BCN 2018年10月29日vol.1749掲載
インテルの日本法人は、日本人が社長を務める時代が長かった。とりわけ長期政権だったのが吉田和正氏で、2003年6月の就任から13年10月の退任までの10年間、日本のセールス&マーケティングを統括してきた。この後、マーケティング畑を歩んできた江田麻季子氏が引き継ぎ、今年3月に退任するまでの5年間、日本法人を率いてきた。インテル本社にとって江田氏の退任は突然のことだったようで、次を担う日本人指導者を見つけることが間に合わず、欧州・中東・アフリカ地域をカバーするインテルEMEAのインダストリー・セールス事業部長であるスコット・オーバーソン氏が暫定的に社長に就いた。オーバーソン社長は、日本におけるビジネス展開とともに、次期責任者選定のミッションを負っていたが、社長就任から約半年後に、やっと抜擢した後任が鈴木氏だ。
鈴木氏は、ソニー時代にVAIO事業部のトップを務めた経歴を持つ。「Sony Tablet」、クラウド型メディア配信サービス「Sony Entertainment Network」の立ち上げなどを経て、12年にソニーモバイルコミュニケーションズの社長に就任。直近では、今年3月にソニーの執行役員ビジネスエグゼクティブを退任し、ソニー生命保険の理事に就任した。「ソニーでキャリアを終わらせるつもりだった」(鈴木氏)が、その思いを覆した三つの理由があり、それによりインテル日本法人の社長を引き受ける決心を固めたという。それが、インテルとの親和性があること、インテルが起こす変革にこれまでの経験を生かせること、インテルが担う役割に魅力を感じたことだという。
特にインテルの役割については、「今起こっている第4次産業革命は、地球上のほぼ全ての企業が何らかの影響を受ける。その変革の中で、インテルはシリコンを製造する立場として大きな役割を担っている。それは、企業を支援するアドバイザー、トラステッドアドバイザーベースドカンパニーになること。まずは私が弱いtoBのビジネスを学んでいく」と鈴木氏は話し、それを日本市場で果たすことが抱負であるとした。(山下彰子)
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