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保守サポート費の日米格差は最大1.5倍 高止まりの原因は「ベンダーハーモニー現象」――米国リミニストリート
2018/10/01 09:00
週刊BCN 2018年09月24日vol.1744掲載

セス・ラビン
CEO兼取締役会会長
保守サポート費が高止まりしていることについて、同社のセス・ラビンCEO兼取締役会会長は、「ベンダーに対して厳しい価格交渉をすることで、関係をギクシャクさせることを嫌う“ベンダーハーモニー現象”が起きている」と、日本独特の商慣習があることを指摘する。
その一方で、保守サポート費が高額となり、既存システムの維持費だけでIT予算の7~8割を費やしてしまう課題がある。とりわけ、海外企業と激しい競争を繰り広げるユーザー企業のなかには、ERPなどのバックエンドシステムではなく、「売り上げや利益に直結する戦略的なIT投資をより多く増やしたいと考える割合が高まっている」と、リミニストリート日本法人の脇阪順雄・日本支社長は話す。

脇阪順雄
日本支社長
おもしろくないのは、SAPやオラクルといったベンダーで、特にオラクルとは「10年来、訴訟で争ってきた。米国で約40人体制の社内弁護士を抱え、国内でも有力弁護士と顧問契約を結んでいる」(ラビンCEO)と全面的に争っていく構え。それでも開発ベンダーによるサポートか、第三者サポートかの選択肢がほしいと考えるユーザー企業に支えられるかたちで、昨年度(2017年12月期)連結売上高は前年度比33%増の2億1260万ドル(約234億円)を達成。株式上場も果たした。
こうした中、セールスフォースは、同社の公式な保守サポートメニューの一つにリミニストリートの割安なサービスを組み込むなど、リミニストリートを受け入れるベンダーも出てきている。ユーザー企業からの支持を追い風に、今後も割安な保守サポートサービスを展開していくことでビジネスを伸ばしていく方針だ。(安藤章司)
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