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エクストリーム-D スパコンクラウドにつながるゲートウェイ発表へ 国内初、ハードアプライアンスで提供
2018/03/15 09:00
週刊BCN 2018年03月12日vol.1718掲載
柴田直樹
代表取締役CEO
同社がハードアプライアンスを開発するのは、これが初めて。同アプライアンスは、同社で「『HPC(高性能計算=High Performance Computing)ゲートウェイ』」と呼ぶ。ユーザー環境とスパコンクラウドをセキュアにつなぐ、まさに「鍵」のような製品といえる。従来のXTREME-DNAの基本機能と操作性は維持しつつ、クラウド上のスパコンにセキュアにアクセスが可能になる。柴田社長は、「当社で設計する独自のスパコンクラウドへ安全に接続する製品で、オンプレミスのシステムの感覚で使えることを目指している」と、同ハードの正体を明かす。
具体的な機能としては、サービスのID管理やクラウド上へのセキュア・データ転送、パブリッククラウドやプライベートクラウドの任意のクラウドで仮想スパコンを構築できる。
今回このハードを出す理由について、柴田社長は、「国内外で、プライベートクラウドで高速演算するニーズが高まっている。従来の『XTREME-DNA』は、パブリッククラウドだけの対応で短期間からの利用が多かった。だが、当ソリューションでは当社で独自開発したクラウド・リソース・プールを設置し、シークレットリージョンを利用する感覚でパブリッククラウドでは行き届かない、ユーザー側でこだわりの計算機リソースを構築でき、長期間利用の要望にも応えられる」と、開発の経緯を説明する。
現在、同アプライアンスは、医用画像分析やFinTech、創薬シミュレーションなどの分野で、早期導入評価が始まる予定という。これら分野に加え、従来スパコンが広く利用されている製造業の設計製造シミュレーション「CAE(Computer Aided Engineering)」の利用など、高速処理する領域に対し、販売していく計画だ。
販売については、大手販社との連携を予定している。将来的には、サーバー製品など、ハード販売が得意なITベンダーを代理店にし、各社の商材であるハードやソリューションなどと一緒に提供する形を検討中だ。柴田社長は、「大量データを解析するような企業はパブリッククラウドを使うことに二の足を踏む。一方、スパコンやそれに匹敵する、こだわりの計算サーバーを自前でもとうとすると、構築費用が膨大で運用負荷も大きい」と、早期評価のユーザーも増えており、十分な手ごたえを感じている。
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