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OSK 新製品でビジネスの規模を3倍にする
2017/09/07 09:00
週刊BCN 2017年09月04日vol.1692掲載
OSK(宇佐美愼治社長)は9月28日、主力の基幹業務パッケージ「SMILE BS 2nd Edition」(中小・中堅企業向け)、「SMILE es 2nd Edition」(中堅以上の企業向け)の後継製品として、「SMILE V」を発売する。SMILE Vは、単純に基幹系業務ソフトラインアップのメジャーバージョンアップという位置づけにとどまらず、同社の製品戦略そのものの大きなターニングポイントとなる製品だ。石井ふみ子・取締役兼上席執行役員マーケティング本部長は、「非常に競争力のある製品に仕上がっており、これでビジネスの規模を3倍にしたい」と意気込む。(本多和幸)
SMILE Vは、SMILEシリーズの後継製品というだけでなく、プラットフォームを完全に刷新し、同社のもう一つの主力製品群である統合グループウェア「eValue」シリーズとの共通プラットフォーム化を実現した製品だ。結果として、eValueは来年の次期バージョンアップ時にSMILE Vに統合される見込みだという。現行の製品ブランド名の取り扱いについては検討中だが、いずれにしても、同社は近い将来、SMILEとeValueを統合製品としてマーケットに訴求していくことになる。
石井ふみ子
取締役
こうした背景もあり、同社はSMILE Vを武器に、中堅中位層以上の規模の企業を重点的に攻め、飛躍的な成長を目指す。石井取締役は、次のように解説する。「もともとSMILEは中堅中位層以上でも十分に使っていただける製品だったが、そうしたユーザーの案件で他の有力国産ERPなどと競合すると、機能要件で劣っていないのに、価格が安すぎてお客様が不安を覚えるようなところがあった。しかし、eValueとの統合製品にすることで、コスト感を競合製品とある程度揃えながら、段違いに大きな価値を提供できるソリューションパッケージに仕立てることができる」。
同社はSMILEシリーズについて、コスト見合いで非常に豊富な機能を有しているという点で大きな自信をもっている。さらに、親会社である大塚商会、大手事務機メーカー系販社などの強力な販路も有している。こうしたファクターから、同社は、SMILEシリーズのユーザー企業の8割を占める中小から中堅下位層の企業についても、旧製品からの移行を含め、SMILE Vには十分な伸びが期待できるとみている。ただし、それ以上に、案件の単価が大きくなる中堅中位層以上のユーザー開拓におけるポテンシャルが大きく、事業規模を3倍にすることも可能だと考えているのだ。そのための施策として、中堅中位層以上の顧客にパスをもつ大手・中堅のSIerとの協業関係をすでに強化し始めている。現在、こうしたパートナーは20社程度だというが、SMILE Vの投入に伴い、これも「3倍にあたる60社程度まで拡大したい」(石井取締役)としている。
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