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沖電気工業 IoT中核に中部でフェア開催 製造、流通中心にOKIの浸透を
2017/03/16 09:00
週刊BCN 2017年03月13日vol.1669掲載
グローバル企業を獲得へ
中部支社がフェアを開催するのは、初めて実施した昨年に続き2回目。今回は、製造業と流通業向けを中心に、情報通信、メカトロシステム、EMS(電子機器の受託生産)、プリンタの主力4事業で展開する商品を展示した。一日の開催で、ユーザー企業やITベンダーなど118社から244人が参加した。フェアの入口では、沖電気工業が考える次世代社会の取り組みを映像化
今回は「IoT社会を体験する」をテーマに「OKIの目指す姿」を理解してもらう目的で開催。企業の経営企画や情報システム、総務、設計開発、店舗運営、製造などの部門で課題を解決する同社商品を展示した。中部支社の若旅支社長は、「センシング技術、ネットワーク、データ処理など、当社の技術力の可能性をみせ、顧客や販売パートナーと一緒に課題解決策を探る。とくに、グローバル企業との関係性を深めたい」と、フェア開催の目的を話す。
展示ゾーンは、同社独自のIoTプラットフォームを活用したパートナー企業との展示が14、公共サービス関連が3、電子部品の設計・製造を含め同社のものづくりを紹介するコーナーが8、金融・流通サービスなど生活に直結したサービスの展示が7の計32のソリューションが披露された。
光ファイバー活用し歪み検知
沖電気工業
若旅健司
中部支社長
同社は2~3年後、この基盤を利用して工場の搬送装置や稼働監視、鉄道設備や車両の予兆保全、ATM端末の故障監視、社会インフラや公共設備の安全管理など、得意とする産業領域で導入を加速することを目指している。若旅支社長は、「当社の技術力や基盤を知ってもらい、まずは実証実験や評価をする機会をつくりたい」と、将来を見据えた取り組みを加速しているという。
プラットフォームゾーンの展示では、IoT関連で光ファイバーセンシングを使ったソリューションが参考出展されていた。同社独自の高感度検知アルゴリズムを搭載した光ファイバーにセンサを搭載し、構造物の歪みやトンネル構内の温度の計測などを1秒以内に検出することが可能だ。トンネル火災検知や堤防・防波堤の破損予知、重要施設への不法侵入検知など、主に公共事業を手がける建設業者などへの販売をねらう。
つながる社会ゾーンの展示では、社会・公共サービス、製造業向けのソリューションが展示されていた。自治体向けクラウドサービス「OKI地方創生支援サービス」は、防災や健康、エネルギー、観光などに関連する管理者業務と生産者などへの対応を支援する。参考出展した総合防災システムは、スマートフォンなどの端末を利用し、災害発生時の消防や自治体の活動状況を一元管理できる。このほかでは、同社のメカトロ技術を生かした製造現場の作業効率化に向けた取り組みや、EMS事業者に向けた生産サービスなどの展示があった。
省スペースにプリンタを
沖データ
細見 薫
中部支社長
パートナー企業と連携したソリューションとしては、グローバルワイズの「Pepper」を使ったIP電話ソリューションや、イリイのCTIと沖電気のAI(人工知能)技術の連携で構築したコールセンターシステムなどが展示されていた。沖電気工業の若旅支社長は、「中部地区で当社の認知度はまだ低い。製造、流通を中心に他業種で当社のソリューションを拡大したい」と話す。金融、通信への浸透度は高いが、中部地区の重要産業で首都圏ほどの実績を上げられていない。独自技術を活用し地元で活躍するパートナー企業と連携し、顧客にマッチした商品をつくれるかが課題だ。中部支社は、2019年に開所100周年を迎える。
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