ユーザーがSIerやISV（独立系ソフトベンダー）に求めるグローバル対応力とは、「どこの国に進出しても安心して使え、サポートを受けられる」ということに尽きる。SAPの基幹業務ソフトや、Amazonのクラウドサービスの評価が高いのは、世界での汎用性が高いという共通項があることがその証となるだろう。

世界どこでも使える「安心感」がポイント

　ここに目をつけたのが固定資産管理システムなどを開発するプロシップだ。同社は日系ユーザー企業の進出数が多い中国やASEAN地域への対応を優先して進めてきたが、「ユーザーの本当のニーズは地域限定ではなく、世界主要市場に対応してほしいというところにある」（山口法弘・取締役海外ビジネス営業本部長）と判断した。

　主力の固定資産管理システム「ProPlus」シリーズのグローバル対応ロードマップ（図参照）を作成し、ユーザーに訴えた。結果は、「この地域はもっと早く対応してほしい」「ここは遅くてもいい」といった意見がユーザーから続々と寄せられ、反響の大きさに驚くことになった。（安藤章司）