高師光太郎さんは、日本ユニシスグループのネットワークインテグレータであるネットマークスで、外資系の銀行や生損保向けの営業に携わっている。身長180cm、体重85kgの高師さんは、仕事のかたわら、日本社会人アメリカンフットボールリーグ(Xリーグ)に属する「BULLS Nihon Unisys Football Club」でタイトエンド(TE)として活躍している。(構成/ゼンフ ミシャ 写真/大星直輝)
[語る人]
●profile..........高師 光太郎(たかし こうたろう)
武蔵大学を卒業後、2007年4月、大手のハウスメーカーに入社。千葉県にオフィスを置く同社の東関東ディーラーに配属され、外回りの営業を担当する。08年8月に、ネットマークスに入社。第一営業統括部 第二営業部のメンバーとして、既存顧客である金融機関を中心とする営業活動に従事している。
●会社概要.......... 大手システムインテグレータである日本ユニシスの子会社として、ネットワークの構築を手がける。1997年に設立された。従業員数は514人、東京・豊洲に本社を構える。
●所属..........第一営業統括部
第二営業部
●営業実績.......... ネットマークスの重要顧客を数社も担当しており、入社からのおよそ5年間で、数多くの大口案件を獲得。
●仕事.......... 主に外資系の銀行や生命保険会社/損害保険会社(生損保)に対して、ネットワーク関連の提案を行っている。なかでも、保守サービスを他社からネットマークスに移管する提案を得意としているという。商談のほか、喫煙所などのインフォーマルな場所で客先の担当者とよく顔を合わせて、雑談を通じて先方のニーズを把握することを心がけている。
相手の動きを先読みする
よし、勝つぞ! 僕は、親会社である日本ユニシスのアメリカンフットボール部「BULLS」で、タイトエンド(TE)のポジションを務めている。TEは、パスのキャッチとブロックの両方を受けもつポジションで、スピードを出して走ることもあれば、ばんばん相手にぶつかることもある。僕はこうしてアメフトに鍛えられ、営業パーソンとしてもそう簡単にはめげないと自負している。
僕たち「BULLS」は、Xリーグに所属して、本気で活動しているチームだ。言っておくけれど、これはストレス発散のためのスポーツではない。シーズン中は毎週末に試合に出て、全力で戦っている。平日は営業の仕事があるので、精神的にも肉体的にもきつい。でも、会社の仲間がスタジアムに来て、いつも僕を応援してくれるので、とても励ましになる。
アメフトにしろ、ビジネスにしろ、僕の機動力は、いうまでもなく「勝つ」ことだ。競合には絶対負けたくない。
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中途採用でネットマークスに入社したのは2008年の8月。新卒で入った大手ハウスメーカーの東関東ディーラーでの仕事をわずか1年数か月で辞めて、右も左もわからないIT業界に転職してきた。その理由は、社員一人ひとりが個人プレイで仕事をこなすハウスメーカーの社風がどうしても自分に合わなくて、チームのなかで働きたいと思ったからだ。
しかし、いくら強気の僕でも機械オンチだけはどうしようもない。ネットマークスに入社した当初は、LANの意味さえ知らないくらい、ITの専門知識に乏しかったのだ。だけど、任せられた仕事をやり抜く根性はもっている。会社もそう捉えたのか、最初から大きな仕事を担当することになった。大手金融機関の全国80拠点でIP電話のリプレースを提案する案件だ。
前職では、何も作戦を考えずに営業に出るのがあたりまえだった。だけど、名のある銀行を相手にする今回の案件では、そうはいかないと思った。幸いにも、ネットマークスは気軽に上司に相談することができる会社だ。僕は、抜群のコミュニケーション力をもって、最初から憧れを抱いていた上司にアドバイスを求め、戦略を考えて案件を進めた。そして、上司の力を借りつつ、チームプレイで受注にこぎつけた。
実は、アメフトで大事なのも、半分はからだ、半分は頭だ。相手の動きを先読みして、それに応じて戦略を練らなければならない。ネットマークスでの初案件で、しかもITのことがまだよくわかならなかった僕だが、アメフトで培った経験を生かして、入社早々に大口の注文を受注することができた。