セキュリティやネットワーク製品を販売するマクニカネットワークス(宮袋正啓社長)は、スパムメール対策アプライアンス「Barracuda Spam & Virus Firewall Plus」の展開に拍車をかける。スパムメール対策の市場は、置き換え需要や他社製品からの乗り換え需要によって、活性化しているとみている。同社は、システムインテグレータをはじめとする2次販売店に対して、今年後半から来年前半にかけてスパムメール対策に商機があると訴えて、一緒に「Barracuda Spam & Virus Firewall Plus」のビジネス拡大に取り組んでいく。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
SMBに最適な商材

第2営業統括部
佐藤将樹 氏 「Barracuda Spam & Virus Firewall Plus」の展開を担当する第2営業統括部 第1部第1課の佐藤将樹氏は、「ユーザー企業がスパムメール対策のアプライアンスを使う期間はおよそ5年間。多くのユーザー企業は、今年後半から来年前半にかけてリプレースの時期を迎えている。SIerは、こうした市場ニーズをビジネスにつなぐために、迅速に動いて提案活動を推し進める必要がある」と語る。
「Barracuda Spam & Virus Firewall Plus」は、米国に本社を置くバラクーダネットワークスが開発したもの。12階層のフィルタを備えており、ユーザー企業のメールサーバーをスパムやウイルス、フィッシングなどの脅威から保護する。日本では、2004年に発売された。地方自治体や民間企業を中心に、約4000台の導入実績をもっており、その大半は、マクニカネットワークが1次販売店として提供しているという。
「Barracuda Spam & Virus Firewall Plus」のラインアップは、中堅・中小企業(SMB)から大企業、インターネットサービスプロバイダ(ISP)までのニーズに対応する8機種。「当社が扱う商材のなかでは珍しいSMB向け展開に最適なモデルも用意している」(佐藤氏)とアピールする。

日本語化された管理画面によって、使いやすさを追求する処理能力をアップ
バラクーダネットワークスは、昨年4月に「Barracuda Spam & Virus Firewall Plus」のバージョンアップを行い、新しい機能を追加したほか、大量のメールを効率よく処理できるように、パフォーマンスを改善した。
新バージョンでは、「クラウドプロテクションレイヤ」機能を新たに採用している。この機能は、メールをアプライアンス側で処理する前の段階で、クラウド上で“大雑把”なフィルタリングを実行。そして、ここで大きな攻撃を検知した場合、それをクラウド上でブロックする仕組みだ。クラウドプロテクションレイヤによって、セキュリティ性を強化することに加え、アプライアンスへの負荷を減らして、高速なデータ処理が可能となる。
佐藤氏は、「『Barracuda Spam & Virus Firewall Plus』は、設置が簡単で、わかりやすいソリューション。日本語化された管理画面や、日本語によるヘルプ機能を備えているので、ユーザー企業にとって使いやすい」とメリットを述べる。「これらを武器に、直近の置き換え需要や他社製品からの乗り換え需要を狙っていく。『Barracuda Spam & Virus Firewall Plus』の事業を、約20%伸ばしたい」と意気込みを示している。