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<IBMのロータスソフトウェア戦略 ~アプリサービスの抜本的改革へ~>最終回.ウェブ2.0時代の姿を訴える
2008/03/17 14:53
週刊BCN 2008年03月17日vol.1227掲載
このほど開催された「2008」で15周年を迎えた「Lotusphere」。今回の年次カンファレンスでIBMがアピールしたかったことは、次世代ウェブと謳われている「ウェブ2.0」時代に突入しているなかでの企業によるワークスタイルのあり方だ。
コンシューマ市場では、「グーグル」をはじめとしてウェブ2.0を駆使したインターネットサービスが活発化している。一方、法人市場といえば未だにPBX(構内交換機)ベースの固定電話を使い、アプリケーションサービスを別々に受けているケースが多い。ユーザーにとっては、コンシューマであれ企業であれ、ワンストップで多くのサービスを利用できることが望ましい。コンシューマ市場で活発化しているサービスが企業にも影響を与え、いずれ活用されるようになる。こうした「コンシューマライゼーション」を実現していくことが最大の狙いなのだ。
「ブログ」や「SNS」「マッシュアップ」「ウィキ」などといった新技術はコンシューマだけでなく企業でも活用できるはず。これがIBMがロータス製品で証明したいことだ。「ITシステムを導入するようになってから、企業はコンピュータに頼ってきた。しかし、それは大きな間違いだ。人がコンピュータに従って動くのは、決して好ましい傾向ではない」と、米IBMのロータスソフトウェア総責任者であるマイク・ローディン・ゼネラルマネージャーは今回のカンファレンスで訴えている。
IBMは今回のカンファレンスを通じて多くの製品を発表した。しかし、各製品が1つのコンセプトの下で一貫している。「コラボレーション」と表現していたが、これはまさに「コンシューマライゼーション」を表現していることになる。ユーザー企業は、統合オフィススイート「シンフォニー」を利用しながら、ユニファイド・コミュニケーション製品の「セームタイム」で映像や音声を含めたコミュニケーションを図る。「コネクション」でSNSを構築し、「クリッカー」をプロジェクトチームの共同作業で利用する。また、戦略的提携を結んだSAPのERPとも連動する。この複数の機能を主力グループウェア製品「ノーツ」上で動かすことができる。
このような世界は現実離れしているとの見方があるかもしれない。しかし、日本IBMの澤田千尋・ソフトウェア事業ロータス事業部長は「ロータスソフトウェアで描く世界は、日本で今後1-2年の間に現実のものとなるだろう」と分析しており、実現が近づいていることを示唆している。
こうした環境での製品・サービス拡大に向け、日本IBMではトレーニングを中心に販売代理店向け教育制度の拡充を図っている。これを受け、ノーツの販売代理店が複数のロータス製品を活用したサービスの提供強化に本腰を入れ始めたケースもあるようだ。
IBMに限らず、市場では法人に対してコンシューマライゼーションをコンセプトに、次世代ウェブを活用した新しいアプリケーションの提供に力を入れ始めたメーカーが増えている。今後、競争が一段と激しくなることは間違いない。そんななか、他社に先行して多くの次世代ウェブ対応製品を発表したIBMがどれだけインパクトを与えるのか。気になるところだ。(佐相彰彦●取材/文)
このほど開催された「2008」で15周年を迎えた「Lotusphere」。今回の年次カンファレンスでIBMがアピールしたかったことは、次世代ウェブと謳われている「ウェブ2.0」時代に突入しているなかでの企業によるワークスタイルのあり方だ。
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