JBISホールディングス（内池正名社長）は株券の電子化に対応したASPサービスを構築する。証券会社などを主なターゲットとして、来年度上期（2007年4－9月）中をめどに同サービスのロードマップを策定する。ASPサービス方式で複数の顧客に必要なシステムを効率よく提供することで、より多くの顧客を獲得、関連ビジネスの拡大につなげる。

　株券の電子化は09年1月に実施される予定。システム開発に残された時間は実質1年半程度しかない。個別にシステム開発を行っていては時間がかかり、対応できる顧客数も限られる。このため想定顧客社数のうち7－8割をASPサービスで取り込むことでスムーズな株券電子化システムの立ち上げを目指す。

　今後、証券会社など顧客企業のヒアリングを順次進め、株券電子化のASPサービスの要件定義を詰める。「使いやすいASPサービスに仕上げることでより多くの顧客に使ってもらう」（内池社長）と汎用性と利便性が高めることで幅広い顧客層を狙う。

　同社は日本電子計算（JIP）と日本証券代行の共同持ち株会社で06年10月に設立。JIPはシステム構築を得意とし、日本証券代行は証券事務の代行が本業である。だが両社が提供する情報システムサービスの一部機能が重なる部分が残る。今年度（07年3月）末までに整理統合のめどをつけることで生産性と相乗効果をより高める。

　日本証券代行の業務ノウハウとJIPのITシステム構築力を密に連携させることで株券電子化に伴う需要を積極的に取り込む計画だ。今年度の両社の単純合算ベースの連結売上高は約490億円だが、両社連携によって証券金融分野の競争力向上が見込めることから、3年後の09年度（10年3月期）にはグループで年商600億円へ拡大させる目標を立てる。