ダイワボウ情報システム（松本紘和社長）は、ネットワーク機器の販売を第2の柱に位置づけ、成長させる。シスコシステムズの販売代理店となり、製品ラインアップを増やした。ネットワークシステム構築の強化で、競合ディストリビュータとの差別化を図っていく。

　ダイワボウ情報システムは昨年10月、シスコシステムズと販売代理店契約を結び、SMB（中堅・中小企業）向け製品を中心にシスコブランドのネットワーク機器の販売を開始した。松本社長は、「今年度（2007年3月期）中は、どのようなユーザー企業を開拓できるかという調査や、技術担当者のネットワークシステム構築力を向上させるための教育を徹底している。本格的に販売を増やしていくのは来年度から」としている。来年度以降は、SMB向けIPテレフォニーシステムの提供に力を注ぐ。「IPテレフォニーの分野は、ネットワーク分野に加えてサーバーなどコンピュータの知識も必要になってくる。コンピュータ関連の販売で蓄積したノウハウを生かし、SMBがIPテレフォニーシステムを簡単に活用できるようにアプリケーションサービスを含めたソリューション提案を行っていく」という。

　パソコンやサーバーの販売が中心であることから、同社の売上比率はコンピュータ関連製品がほとんどを占めている。ネットワーク事業の強化に踏み切ったのは、「売上拡大を重視するよりも、利益を増やす体制を敷いていくため」だ。パソコンやIAサーバーのコモディティ化で売価下落が進んでいることから、利益確保が難しい状況になっている。一方、IPテレフォニー分野は、SMB市場で需要が増大するとの見方も出ており、「最適なソリューション提供やネットワーク保守などで利益を増やせる」としている。

　また、NIer（ネットワークインテグレータ）やネットワーク機器の販売に強いディストリビュータが、ネットワークシステム側からコンピュータ関連のアプリケーションサービス提供を模索していることも、少なからず影響しているといえる。「今後も、ディストリビュータとして、コモディティ製品を大量に出荷できる体制は維持していく。しかし、現段階では大量出荷が期待できないが、高利益な製品の販売を増やしていくことも重要」という。SIとNIの機能も兼ねそろえたディストリビュータという新しいビジネススタイルの構築で、業績を伸ばしていく方針だ。