NEC（矢野薫社長）は、2006年末の時点でIPテレフォニー関連製品「UNIVERGE（ユニバージュ）」の「パートナープログラム」参加企業数が800社に達したことを明らかにした。同プログラムには、販売代理店だけでなくアプリケーションを開発するソフトメーカーやSIerなども登録している。プログラム参加企業は、06年度（07年3月期）末に1000社になる見通し。NECでは、企業内の音声IP化を進めることでIT／IP融合ビジネスの拡大を図っていく。

　パートナープログラムは、ユニバージュ製品を販売する「セールスパートナープログラム」と、ユニバージュベースのIPテレフォニーシステムに対応可能なアプリケーションサービスを提供する「アプリケーションパートナープログラム」の2種類で構成される。

　保坂岳深・企業ネットワークソリューション事業部長は、「ITとIP融合ビジネスの拡大に向け、製品の拡販に加えてソリューションのラインアップ充実がユーザー企業を増やすカギ」としている。

　NECでは、企業内の音声IP化を普及させることに力を注いでいる。昨年7月には、50─200人規模の中小企業向けに「ユニバージュワンミリオンソリューション」の提供を開始した。

　同製品は、中小規模向けSIP対応テレフォニーサーバーの「ユニバージュSV7000SS」をベースにIP電話システムとして提供する「基本セット」の価格を100万円に設定しており、基本セットに付加するオプションとして「ウェブ会議システム」や「セキュアリモートアクセス」など5種類を用意している。中小企業向けユニバージュの販売で今年度に50億円の売上高を目指していたものの、予想に反して導入が進んでいないという。「中小企業は、顧客ごとにニーズが異なる。IPテレフォニーベースのアプリケーションサービスを提供するためには、多くのソリューションを揃えて導入事例を増やさなければならない」とみている。アプリケーションベンダーとのアライアンスを増やしているのは、さまざまなニーズに対応できる体制を敷くためだ。

　最近では、IP－PBXメーカーを中心に企業内への音声IP化を進める動きが活発化している。コールセンターへの導入が一段落している一方、一般オフィスではまだ需要が眠っているとの判断からだ。

　NECでも、「ERP（統合基幹業務）やCRM（顧客情報管理）などのシステムとIPテレフォニーをつなげることで、業務効率化やビジネス拡大を図るというニーズが出始めている。国内IPテレフォニー市場は今後も成長する。市場の伸び以上に売り上げを増やしていきたい」考えを示している。